韓国政府がチュソク(秋夕/陰暦の8月15日)を控えて白菜と大根の供給量を大幅に増やしたにもかかわらず、価格は高止まりしている。夏の猛暑と日照りの影響で白菜の生産量が大きく減った影響だ。キムジャンシーズンを前に白菜・大根の価格が下がらず、消費者の経済的負担が大きくなっている。

19日、韓国農水産食品流通公社(aT)によると、13日時点の白菜1株当たりの小売価格は8002ウォン(約858円)で、1年前より42.5%高い。韓国政府が秋夕シーズンの商品の価格安定対策を発表した先月27日時点での白菜の価格(7561ウォン/約811円)よりも5.8%値上がりした。同日時点の大根1本の価格は3681ウォン(約395円)で、1年前より59.1%も値上がりしている。

これは韓国政府が設定している目標物価をかなり上回っている。企画財政部や農林畜産食品部などの物価を管理する当局は、秋夕期間中の白菜と大根の1個あたりの目標価格をそれぞれ5734ウォン(約615円)と2366ウォン(約254円)に設定していた。

韓国政府によるシーズン商品対策にもかかわらず、白菜と大根の価格はむしろ上がったことになる。政府は先月27日に、秋夕の3週間に白菜と大根の供給量を1万2000トンに増やすことを明らかにしていた。これは平常時の供給量と比べるとそれぞれ2.9倍、1.8倍多い数値だ。秋夕5日前の12日には、すでに予定供給量の110%にあたる1万3200トンを供給している。

白菜の価格が大幅に上昇した理由は、今年の夏の白菜の栽培面積が減ったうえに、猛暑や日照りの影響により生産量が減ったためだ。農村経済研究院は、夏の白菜の栽培面積が1年前より6.2%減り、生産量が7.2%減少すると分析している。夏の大根の栽培面積も3.2%減り、これによって生産量も6.2%も減るものとみている。

農林畜産食品部の関係者は「政府の備蓄を全て供給したが、今夏の白菜の生産量自体が少なく、民間から市場に供給する物量が減った影響を受けて、全体的に需要に比べて供給が不足した」と説明している。

問題は、今後も価格上昇が避けられないことだ。韓国農業研究院は9月から10月の白菜の出荷量が前の年に比べそれぞれ2%と3.3%減少すると予測している。秋の白菜は10月中旬に出始めるが、それまでに供給される夏の白菜が不足しているためだ。すでに政府が備蓄している物量は秋夕シーズンの対策期間中に全て放出し終わっている状態だ。

秋の白菜の収穫量の見通しも明るくない。韓国農業研究院は今年秋の白菜の栽培面積が1年前に比べて2.1%減少し、生産量は4.3%も減少するものと予想している。大根については、栽培面積が昨年より3.8%減少すると予想している。

しかし韓国政府はキムジャンシーズンの白菜と大根の価格を現時点で予想することは難しいとしている。本格的なキムジャンシーズンが始まるのは11月からで、10月中旬から出てくる白菜の作況が大きな影響を及ぼすためだ。農林畜産食品部の関係者は「キムジャンシーズンの野菜価格は白菜と大根の供給量に影響を受ける。秋の白菜はまだ正確な生産量が分かりにくい状況」と述べ、「今月までは白菜の割引支援の延長などを通じて消費者の負担を緩和する」と強調している。
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