10月1日の「国軍の日」は、韓国軍の威容と戦闘力を国内外に示し、国軍兵士の士気を高めるため、それまであった軍の記念日と統合する形で1956年に制定された。ちなみに1950年10月1日は、朝鮮戦争で韓国軍が南侵してきた北朝鮮軍を反撃し、38度線を突破した日だ。韓国では、毎年この日には記念行事が開催される。今年も昨年に続き、ソウルの市街地で軍事パレードが行われる予定だ。護国英雄のカーパレードに続き、国連儀仗(ぎじょう)隊、米陸軍第8軍などの徒歩部隊が行進する。また、韓国軍は、ソウル空港で行う「国軍の日」の記念式典で、弾頭重量8トンに達する「怪物ミサイル」ヒョンム(玄武)5を初めて外部に公開することにしている。玄武5は、世界で最も重い弾頭を搭載し、戦術核兵器級の威力を持つとされる。
「国軍の日」はもともと、1976年~1990年までは法定休日に指定されていたが、法定記念日に変更された。与党「国民の力」は先月25日、政府とのハイレベルの協議を行い、今年の「国軍の日」(10月1日)を臨時休日に指定するよう政府に要請した。韓国の官公庁の休日に関する規定では、既存の祝日に加え、閣議を経て「その他政府が随時指定する日」を臨時休日に定めることができるとしている。昨年は10月2日を臨時休日に指定。日本のお盆に当たる「チュソク(秋夕)」の連休(9月28~10月1日)、建国記念日の祝日・開天節(10月3日)と合わせると6日間の大型連休となった。
政府は今月3日、「国軍の日」を臨時休日とすることを閣議決定。その後、ユン・ソギョル(尹錫悦)大統領が臨時休日の指定案を承認し、最終決定した。ハン・ドクス首相は「北朝鮮の相次ぐ挑発や中東の紛争など、国内外の安保状況は厳しい状況にある」とした上で、「『国軍の日』を臨時休日に指定することで、国家安全保障の重要性に対する国民の関心を高め、韓国軍の役割と将兵の苦労を顧みる契機としたい」と述べた。
「国軍の日」が、34年ぶりに休日指定となったため、前日のように前後をつなげれば6連休、さらには最大12日連休も可能となる。
休みが増えたことに、韓国国民は肯定的に受け止めているかと思いきや、皆が必ずしもそうとは言えないようだ。イーデイリーなど韓国メディアが、データコンサルティング企業のPMIによる調査結果として伝えたところによると、「国軍の日」を臨時休日としたことに、肯定的な反応を示したのは40%で、22%は「不適切だ」と回答した。「どちらとも言えない」は38%だった。肯定的な反応を示した回答者は、その理由について「休息を取ることができる」「内需経済の活性化が期待できる」「軍の士気高揚につながる」などと答えた。一方、「不適切だ」と回答した人は、「休日が多すぎる」「突然決まった措置だから」「意味や必要性を感じない」などを理由に挙げた。臨時休日となった「国軍の日」をどのように過ごすかという質問に、54%は「家で休む」と回答。13%は「未定」と答え、以下、「趣味を楽しむ」(12%)、「その日も働く」(10%)、「旅行に行く」(7%)と続いた。調査は全国の満20~69歳の男女3000人を対象に行われた。
この調査結果を伝えたイーデイリーは「先立って政府は、今回の臨時休日指定が内需活性化に寄与するだろうと説明した」と指摘した上で、「今回のアンケート調査の結果から推測すると、政府の期待ほど内需活性化の効果を上げることは難しいものとみられる」と見通した。また、ヘラルド経済は「経済界からは、突然の休日指定により生産性低下やコスト増加を懸念する声も出ている」と伝えた。
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