7日テジョン(大田)地方検察ノンサン(論山)支庁によると、ことし6月に50代の男、A被告が強姦(ごうかん)致傷、死者名誉毀損(きそん)などの容疑で拘束起訴された。
A被告は2021年11月、チュンチョンナムド(忠清南道)論山市で先輩の娘、20代のBさんに5回にわたって性的暴行を加え、そのショックから自ら命を絶たせた容疑を持たれている。客室乗務員を夢見ていたBさんは普段からA被告と親しくしていたという。
Bさんは性的暴行を受けた後、そのショックから認知能力が「満4歳」の水準に低下した。両親のこともわからず、意思疎通もできず、ぼんやりとした表情で意味不明な言葉をつぶやいたりもした。精神科病院は「極度のストレスにより4歳の水準の認知能力に退行した」との診断を下した。
そうした中、BさんはA被告が自宅に遊びに来た日に突然大声で叫び、異常な症状を見せたという。
Bさんの母親は、「(娘が)大声で叫んだ。そして『私になぜそんなことをするの』と叫び、ベランダに立って大小便をした」と話した。両親が問い詰めるとBさんはA被告から「運転免許の走行練習を受けた時、数回にわたって性的暴行を受け、少し前にも部屋でわいせつなことをされた」と被害事実を話した。
両親はすぐにA被告を警察に通報した。しかしA被告は、「Bさんを無理やりモーテルに連れて行ったり、強圧的に性行為をしたわけではない」と主張した。また、「Bさんの精神的な問題が自身のせいだと断定することはできない」とし、Bさんが事件の約1年前から別の件で精神科の診療を受けていた記録があることを理由に挙げた。
Bさんの陳述が必要な状況だったが、残念ながらBさんは昨年8月、24歳でこの世を去った。精神科病院から退院後、状態が少しずつ好転したようにみえたものの、昨年6月に偶然、スーパーでA被告に会ったという。Bさんは恐ろしい記憶がよみがえったのか苦しみ続け、2か月後の昨年8月に自ら命を絶ってしまった。
検察はBさんの携帯電話のダイアリー内容、車のドライブレコーダー映像分析などを通じ犯行日時や場所などを特定した。また、Bさんが病院で知り合った心理カウンセラーの陳述と撮影映像を精密追跡した。その結果、A被告が親密な関係を利用してBさんを心理的に支配する「グルーミング」の手法で数回にわたり性的暴行を加えたという事実を明らかにした。
検察は単純強姦の容疑で送致されたA被告の容疑を「強姦致傷罪」に変更し、虚偽のうわさを広めた行為と関連しBさんに対する死者名誉毀損およびBさんの父親に対する名誉毀損の容疑を追加で適用し裁判にかけた。
強姦罪は3年以上の有期懲役にとどまるが、強姦致傷罪は無期懲役または5年以上の懲役に刑が重くなる。
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