ソウルにあるサムスン電子の社屋(資料写真)=(聯合ニュース)
ソウルにあるサムスン電子の社屋(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国のサムスン電子が8日発表した7~9月期の連結決算(速報値)によると、本業のもうけを示す営業利益は9兆1000億ウォン(約1兆円)で、前年同期比274.5%増加した。スマートフォンやパソコンなどの需要回復が予想より遅く、主力製品のメモリー半導体の汎用DRAMが不振だったのに加え、半導体部門での成果給支給などが反映された影響で市場の期待を下回った。

 一方、売上高は前年同期比17.2%増の79兆ウォンで、四半期ベースで最高だった2022年1~3月期(77兆7800億ウォン)を上回り、過去最高を記録した。

 7~9月期の営業利益は、韓国金融経済情報メディアの聯合インフォマックスが取りまとめた市場予想の10兆3047億ウォンを下回った。証券業界は当初、営業利益を14兆ウォン台と見込んでいたが、最近になって10兆ウォン前後へと大幅に引き下げた。

 市場の期待に及ばなかったのは、スマートフォンとパソコンの販売不振によりメモリーモジュールの在庫が増加し、出荷量や価格の上昇幅が予想を下回ったためと分析される。

 人工知能(AI)・サーバー用メモリーの需要は堅調だが、広帯域メモリー(HBM)が競合企業に比べ成果を出せていないことも影響した。半導体事業を担うデバイスソリューション(DS)部門での成果給支給やファウンドリー(受託生産)受注の不振、為替変動、在庫の評価損なども響いた。

 部門別の実績は公表されなかったが、証券業界ではDS部門の営業利益を5兆3000億ウォン前後と推定している。


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