外交専門誌フォーリン・ポリシー(FP)は7日(現地時間)、このような内容を盛り込んだ米シンクタンク・スティムソンセンターのロバート・マニング上級研究員の寄稿文を掲載した。
マニング上級研究員は「朝鮮半島で戦争という最悪の状況が近いうちに発生するとは思えない」としながらも、北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記が核保有を宣言し、韓国と北朝鮮を「敵対的な二国間関係」と位置づけるなど、不穏な動きを見せているという理由を挙げ、「北朝鮮が今後6か月から18か月の間に劇的な行動に出る可能性が高まっている」と指摘した。
また、マニング研究員は、「北朝鮮の軍事力が韓国を圧倒し、北朝鮮の核が米国の介入を抑止すると確信すれば、金総書記がさらに挑発的な態度を取るだろう」という米国家情報会議(NIC)の昨年の報告書を引用した。
さらに、マニング研究員は、韓国人専門家らとNICのこれまでの分析をまとめ、2つの戦争シナリオを提示した。1つ目は、北朝鮮が米韓合同軍事演習に反発して延坪島を砲撃した後、直接兵力を上陸させるシナリオだ。
この場合、韓国は空軍と海軍を動員して北朝鮮艦艇などを攻撃し、海兵隊を延坪島に投入する。攻防が続けば、北朝鮮は西海(黄海)上の無人島で戦術核兵器を爆発させる恐れがあると予測した。しかし、実際にこのようなシナリオが現実になった場合、状況管理は不可能になるとマニング研究員は見通した。その理由は、米国と韓国が北朝鮮との安定した外交・軍事的なチャネルを持っていないためだ。
マニング研究員は、さらにNIC出身のマーカス・ガロスカス氏が昨年公開した台湾と朝鮮半島での同時戦争勃発の可能性を2番目のシナリオとして提示した。
このシナリオでは、中国が台湾に侵攻する際、米国がアジアの軍事力をこの地域に投入する隙を狙って、北朝鮮が韓国を攻撃する可能性がある。もちろん、中国と北朝鮮が同時に台湾と韓国をそれぞれ侵攻するシナリオも考えられる。しかし、このような状況の中でも、米国と中国は朝鮮半島の問題を緊急には捉えていないとマニング研究員は指摘している。これは、ウクライナや中東など他の地域の問題により、北朝鮮の問題がおろそかに扱われがちであるという点に起因している。
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