韓国裁判所、景品マグカップ持ち出しによる解雇を不当と判断
韓国裁判所、景品マグカップ持ち出しによる解雇を不当と判断
顧客への景品として用意されたマグカップセットの無断持ち出しを理由に解雇された社員に対し、裁判所が不当解雇であるとの判決を下した。

 13日、韓国の法曹関係者によると、ソウル行政裁判所行政3部は最近、高級輸入車種の正規販売業者A社が、不当解雇救済再審査の決定を取り消すよう求め中央労働委員会を相手取って提起した訴訟で、原告の敗訴判決を下した。

 A社は9年目の社員B氏を昨年2月に解雇した。B氏が無断で顧客用のマグカップ5セットとカレンダー1部を持ち出したことが解雇の理由だった。B氏のこのような行為が業務の遂行に支障を与え、社内の報告・指揮体系を無視したとされた。

 B氏は、忠南地方労働委員会および中央労働委員会に救済を申し立てて認められた。A社はその決定に不服を唱え、行政訴訟を起こした。

 裁判所はB氏の主張を支持し、「社会通念上、B氏の行為が雇用関係の継続を不可能にするほどのものではなく、解雇は過剰な措置」と述べた。

 裁判所は、マグカップが一個2万ウォン(約2209円)と高価な商品ではない点、B氏が持ち出した5個のうち2個を顧客に贈呈し、残りの3個は贈呈用として持っていたが会社に返却した点を理由に挙げた。

 また、カレンダーについては、会社が以前から厳格に持ち出しを管理していたか不明瞭であり、単に景品を無断で持ち出したという事実だけでは、会社の指揮体系を犯したとは見なせないため、懲戒の理由にはならないと裁判所は判断した。
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