韓国製と偽り中国製を納品…公共機関も被害に=韓国
韓国製と偽り中国製を納品…公共機関も被害に=韓国
韓国関税庁は、警察庁に「韓国製」として納品された交通用手袋や防寒手袋、バッグなど17万点余りが「低価格の中国製」であったとして摘発した。納品業者が原産地表示ラベルを取り除いて警察庁を欺いた事実が判明。被害額は約18億ウォン(約1億9700万円)にものぼった。該当業者の代表は体外貿易法違反の疑いで検察に送致された。

 2023年には、約59億ウォン相当のベトナム製の作業服12万点余りが同様の手口で公共機関や地方自治体に納品されていたことが分かった。2021年には、ベトナム、中国などから輸入された作業服158万点余りが政府・公共機関・軍部隊に納品された事実も明らかになった。公共機関に納品された社会服務要員の作業服35万点余りもベトナム製だった。これら2件の事件の被害額はそれぞれ678億ウォン、100億ウォンに達した。

 いわゆる「タグ替え」の手口で原産地を偽り、公共機関に納品される物品の事例は年々絶えない。17日、国会財政金融委員会の与党幹事である「国民の力」のパク・スヨン(朴洙瑩)議員室が税関から受け取った「公共調達物品の不正納品取締り実績」という資料によると、2020年から今年7月までに摘発された事件数は合計50件に上る。事件金額は合計3541億ウォンだ。年度別に見ると、2020年6件(約634億ウォン)、2021年15件(約1224億ウォン)、2022年11件(約1244億ウォン)、2023年7件(約298億ウォン)、2024年1月から7月まで11件(約141億ウォン)。同期間中の実際の原産地は中国が37件(70%)で最も多く、ベトナムが12件(23%)で続いた。

 今年の不正納入事例は警察庁だけでなく、各地で発覚している。包装箱を変えたり原産地ステッカーを取り除いた「中国製の消防用ランタン」7304点余り(約16億ウォン相当)が消防署に不正納品された。ベトナム・中国などから輸入された衣類30万点(約186億ウォン相当)も韓国製に偽装して公共機関に納品されたことが明らかになった。

 国民の税金が使用される公共調達部門で繰り返される不正納品事例は、品質・安全問題とともに、国内中小企業およびその従業員の雇用に影響を与えるという点で一貫して指摘されている。これに対し関税庁は昨年3月に調達庁と業務協定(MOU)を結び、同年末に「公共調達不正納品モニタリングシステム」を構築した。関税庁の輸入データと調達庁が入手した調達契約データを連携させた両機関の合同取締りが実施され、摘発件数が大幅に増加したという。

 問題は、政府の対応が「事後摘発」に集中している点だ。これは摘発された企業に対する刑事処罰や罰金の課徴などの措置にもかかわらず、毎年同じ類の事例が繰り返される原因の一つとされている。不正納品業者に対する「公共調達入札制限」や「不当利益返還」が実施されているものの、検察の起訴判断が完了した後でなければ可能でないため、予防対策が必要であるとの指摘が出ている。

 実際に朴議員室が調達庁から追加で受け取った「不正納品関連の詳細措置内容」という資料によると、関税庁と調達庁のMOUが締結された後に入札制限や不当利益返還が行われた事例はわずか2件に過ぎない。それぞれの不当利益返還金額は、同期間に蓄積された被害額にはるかに及ばない約2391万ウォン、約9218万ウォンだ。MOUに記載された調達庁の公正調達管理システムに関しても、改善が急務であるとの声が上がっている。

 これに関連して朴議員は、「低価格の外国製品が国産に偽装されて公共機関に不正納品される事例が毎年繰り返されている」と述べ、「関税庁・調達庁は、見せかけで、イベント性のMOUを結ぶべきではない」と指摘した。続けて、「密接な交流を通じて、事後摘発ではなく予防対策として公正な納品が行われるよう協力することが必要だ」と強調した。
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