韓国、北朝鮮のロシア支援に対抗しウクライナへの「参観団」派遣を検討
韓国、北朝鮮のロシア支援に対抗しウクライナへの「参観団」派遣を検討
北朝鮮がロシア軍のウクライナ侵攻を支援するために部隊を派遣したとの報道がなされる中、韓国政府は北朝鮮軍の動向を探る「参観団」の派遣を検討していることが明らかになった。韓国政府の関係者によると、この参観団は北大西洋条約機構(NATO)に派遣される代表団とは別に、ウクライナにも派遣される可能性が高いという。

 韓国政府の関係者は22日、「北朝鮮がロシアのために派遣した特殊部隊の戦術や戦闘力などをモニタリングする要員をウクライナに派遣する可能性がある」と述べた。

 ユン・ソギョル(尹錫悦)大統領は21日、北朝鮮のロシア支援に関する情報共有と対応策を協議するための代表団をNATOに派遣するよう指示した。マルク・ルッテNATO事務総長が尹大統領との電話会談で、詳細な情報共有のために韓国政府の代表団を送るよう要請したことに応じたものだ。

 これに、尹大統領は情報共有のための代表団を速やかに派遣し、韓国とウクライナ、NATO間の安全保障協力を活性化するための措置を取ると述べた。

 チョン・ハギュ国防省報道官は、「昨日、大統領室で情報共有代表団に関する言及があり、検討が行われていることを知っている。まだ決定されていないため、国防省がどのような役割を果たすかは、もう少し具体化されれば話せると思う」と説明した。

 チョン報道官は、代表団に対北朝鮮の情報要員、心理戦要員などが含まれる可能性について、「そのようなことが可能であると予測できるが、具体化されれば話せるだろう。北朝鮮とロシアの動向を注視しながら、両国の軍事協力の進展に応じて利用可能な措置を取りたい」と述べた。

 NATO代表団とは別のウクライナ参観団は、情報司令部や防諜司令部など情報分野の要員を中心に、北朝鮮軍の戦術を分析する作戦分野の人員などで組まれる見込みだ。

 軍当局は、ハマスと戦争中のイスラエルにも、ハマスが使用したとされる北朝鮮製の武器の把握や、イスラエルの対応態勢などを調査するために少数の人員を派遣したという。

 ここに、ウクライナ現地で脱走したり捕虜になったりした北朝鮮軍人の尋問、通訳のために必要な要員も含まれる可能性がある。

 与党「国民の力」のハン・ギホ(韓起鎬)議員は17日、陸軍本部を対象とした国会国防委員会の国政監査で、「ウクライナ戦争に北朝鮮軍1万人が行ったというが、われわれはどうするのか。韓国軍が参戦はしないまでも、視察はするべきではないか」と問いかけた。

 韓議員はまた、北朝鮮が過去のベトナム戦争や中東戦争などに派兵し、ベトナム戦争では韓国軍の捕虜を尋問したことも指摘した後、「われわれも北朝鮮軍がどのように行動しているかを見るべきだ。北朝鮮軍がウクライナに1万人を派兵したならば、われわれも参戦はできないまでも、少なくとも参観団は送るべきだ」と繰り返し促した。

 NATO政府代表団とウクライナ参観団の派遣は、北朝鮮とロシアの軍事協力強化に対する対応の意味も持っている。

 韓国政府は22日、シン・ウォンシク(申源湜)国家安全保障室長の指揮のもと、急国家安全保障会議(NSC)の常任委員会を開催し、北朝鮮軍の即時撤退を促し、今後の北朝鮮とロシアの軍事協力の強度に応じた段階的な措置を実施すると警告した。

 北朝鮮とロシアの事前準備を考慮して具体的な内容は公開されていないが、韓国政府は今後の状況展開に応じてウクライナへの攻撃用武器の支援も排除しない方針だ。
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