国会における安全保障議論、与野党が「北朝鮮軍爆撃」の会話を巡って衝突=韓国
国会における安全保障議論、与野党が「北朝鮮軍爆撃」の会話を巡って衝突=韓国
国会国防委員会における総合国政監査の席で、与党「国民の力」のハン・ギホ(韓起鎬)議員とシン・ウォンシク(申源湜)国家安全保障室長との間で交わされた私的なメッセージが公になり、韓国の与野党で活発な議論が交わされた。このメッセージでは、ロシアに派遣された北朝鮮軍に対する攻撃提案が含まれており、これが朝鮮半島の安全保障に与える影響が大きいと、野党からは懸念の声が上がっている。

 24日、韓国メディアによって公開されたメッセージでは、韓議員が申室長に対し、ウクライナで北朝鮮軍部隊に対する攻撃を提案し、その結果を心理戦に利用することを求めた。これに対し、申室長は慎重な対応を示した。

 野党は、該当するメッセージをめぐり、政府と与党が朝鮮半島の安全保障危機を招いていると批判。一方、与党は私的な会話を政治的に利用すべきではないと反論した。

 最大野党「共に民主党」のチュ・ミエ(秋美愛)議員は「党と龍山(大統領室)、国防省が共に作り上げている北風工作(北朝鮮に対する心理戦)だ」と述べ、「最近、尹政権に降りかかったミョン・テギュン氏事件など、さまざまな不名誉な事件と大統領支持率が20%台に転落したことに対して、免責を図るための策略であるのか」と批判した。

 秋議員はまた、「北朝鮮がこれを自国兵士に対する宣戦布告として、問題視すれば南北戦になり、朝鮮半島で相互報復の戦闘となれば、安全保障の危機がもたらされる」と懸念を表した。

 同党のブ・スンチャン(夫勝粲)議員も「国軍は外部の脅威に対して国家領土を防衛することが最優先の課題」と述べ、「他国まで行って爆撃を誘導し、心理戦に利用することはあり得ない」と指摘した。

 国民の力はこれについて、「私的な会話」と反論した。イム・ジョンドク(林鍾得)議員は「私的な会話は私的なものではないか」と述べ、「野党は、度を超えて政治的に利用してはならない」と反論した。

 同党のユ・ヨンウォン(庾龍源)議員も「韓議員が言及した心理戦は、北朝鮮軍の士気を低下させる目的で話されたものではないか」と述べ、「そのような私的な会話に過敏に反応することは望ましくない」と擁護した。

 当事者の韓議員は「北朝鮮がロシアに派遣されたことに対しては一言の批判もできない議員たちが、議員個人のテレグラムでの会話を悪魔化するのは本当に滑稽だ」とし、「ウクライナ戦に北朝鮮軍が派遣されたことをはっきりと北朝鮮の人々に知らせる必要があり、それを実施しようという個人的な意見を提案したものだ」と述べた。

 キム・ヨンヒョン(金龍顯)国防相は「2人が私的な会話の範囲で意見を交わしたもの」とし、「わが政府の方針や方向とは全く異なる内容だ。拡大解釈はしないでほしい」と述べた。

 共に民主党所属の国防委員たちは、与野党の衝突の末に国政監査が中断された後、国会で開かれた記者会見で「国民の力は直ちに戦争をあおる韓起鎬議員を除名し、大統領室は申源湜安全保障室長を直ちに解任せよ」と求め、「朝鮮半島での戦争は絶対にあってはならない」と訴えた。

 国民の力所属の国防委員たちも記者会見を開き、「心理戦をしても足りない人たちが、むしろ北朝鮮の『影響工作』に踊らされているのと何が違うのか」と批判した。
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