26日未明の取引で、為替レートは取引中に1ドル/1392.2ウォン(約153.34円)まで上昇し、6月27日に1395ウォン(約153.65円)をつけて以降、約4ヶ月ぶりに最高値を記録した。
9月末の為替レートは取引中に1303.4ウォン(約143.56円)まで下がった。しかし10月に入ってから為替相場は2日を除いて連日上昇し、1390ウォンまで急騰した。1ヵ月も経たないうちに100ウォン近くウォン安が進んだことになる。
この頃の急激なウォン安ドル高は、世界的なドル安の影響によるところが大きい。米国の景気好調による金利引き下げの遅延と「トランプトレード」(トランプが大統領に当選した際に恩恵を受ける資産への投資)、中東の政情不安により安全資産であるドルに資金を逃がす現象が深刻化したためだ。
為替レートが事実上の抵抗線と認識される1ドル/1400ウォンの大台を超えたため、外為当局により介入の警戒感が高まっている。4月に為替レートが取引中に1400ウォンを超えた時、外為当局の口先介入に続いて実際の介入とみられる資金が流入し、為替レートの上昇が制限された。6月にも韓国と日本が共同で口先介入を行い、外為当局は国民年金と通貨スワップを増額するなど、多様な市場安定のための措置を打ち出し、1ドル/1400ウォン台への突入を阻止した。
ウォン安のペースが速くなることに対し、当局も懸念を示している。しかし、1ドル/1400ウォンを抵抗線と見ているかどうかについては不透明だ。
韓国銀行のイ・チャンヨン総裁は25日(現地時間)、「ターゲット(特定の為替レート目標値)よりも変動性に重点を置いている」との立場を明らかにした。先立ってチェ・サンモク経済副総理兼企画財政部長官は24日、「現在の為替相場は過去の同じ水準のものと同じ現象と考えてはならない」と述べ、「現在の為替レート水準は外国の為替危機当時の為替レートの上昇とは質的に違う」と説明している。
かつて国際通貨基金(IMF)の通貨危機のトラウマがある韓国政府としては、為替レートの急騰に対し敏感にならざるを得ない。しかし、現在の国内外の状況上、1ドル/1400ウォンの為替相場には大きな支障はないとの判断も混ざっているものと解釈され、市場のドル買い心理を拡大させている。
市場の専門家らの為替レート下落に対する意見も錯綜している。NH投資証券のクォンアミンアナリストは「景気が低迷している場合にはさらにウォン安が進む可能性が高いが、現在は米景気の好調やインフレに対する期待が高まっており、為替レートが1400ウォンを超える可能性は低い」と述べ、「先立って第2四半期で1400ウォンを死守しようとする外為当局による介入意志が確認されたこともあった」と述べた。
実際に為替レートが1ドル/1400ウォンを記録した第2四半期の外為当局は、市場安定化のために約60億ドル(約9180億円)のウォン売りを行っていたことが分かった。これは過去1年間で最大規模のウォン売りとなった。
しかし、1ドル/1400ウォンを超えてさらにウォン安が進む可能性もあるとの見方もある。ハナ銀行のソ・ジョンフン研究員は「当局では1400ウォン台を突破しないだろうとみている」としながらも、「トランプ氏が当選するとすれば連邦準備銀行の政策が相殺される可能性が高く、短期的には為替レートは上昇する見方が強く、1400ウォン台を突破する可能性を見据えておく必要がある」と述べた。
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