非核化に関する言及は2016年から昨年までの声明には毎回盛り込まれていたが、今回9年ぶりに姿を消した。
昨年の声明は「『北の完全な非核化』を達成するため、(韓米)両国は同盟の圧倒的な力で北の核脅威を抑止すると同時に、制裁と圧迫によって核開発を断念させ、対話と外交を追求する努力のための協力を続けることを決めた」としていたが、今年の声明では「両国は同盟の圧倒的な力で北の核脅威を抑止するための努力を続けると同時に、制裁と圧迫によって北の核開発を断念させ、遅らせる努力を推進することを決めた」という表現に変わった。
「北の完全な非核化」を達成させるという目標が外され、核開発を「遅らせる」という表現が追加されたことになる。
韓国政府の消息筋は「現実的な達成可能性を考慮した可能性がある」と述べ、直ちに「完全な非核化」を推進することが難しいため、まずは「核脅威の抑止」に焦点を合わせたのではないかとの見方を示した。
このような傾向は、米当局者の発言からも確認できる。
米ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)で東アジアとオセアニア地域を担当するラップフーパー上級部長は今年3月、「米国の目標は依然として朝鮮半島の完全な非核化」としながらも「域内や世界をより安全にすることができれば、非核化に向けた『中間措置』を考慮する用意がある」と述べた。
米国務省のジョン・パク前北朝鮮担当特別副代表も「最終的に非核化へと向かう中間段階がなければならないことは言うまでもない」と発言した。
また、米大統領選を控える中で米共和党だけでなく民主党も公約に北朝鮮非核化の目標を盛り込んでいない。
韓国政府系シンクタンク、統一研究院の洪珉(ホン・ミン)先任研究委員は「米国の最近の流れを見ると、核問題に対するアプローチにおいて現実論が一定部分反映される雰囲気があった可能性がある」と述べた。
また、非核化を否定したり原則を放棄するのではなく、より現実的な問題に集中しようという風潮があると分析した。
一方で、韓米国防トップが韓米同盟の1年間の成果を振り返り、来年の見通しを示すSCMの共同声明から「北の完全な非核化」という表現が外されたことに対し、韓国国防当局の責任が大きいとの指摘が出ている。
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