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これまでは自分とかけ離れた役が多かったという。「まだ23歳なのに28歳の役を演じるのは大変でした。分からないから言われた通りにやるしかなかったけれど、それでは演技じゃなくてロボットでしょう」と語る。しかし『リトルママスキャンダル』は違う。自分もほんの何年か前までは高校生だったのだから「今も演技は下手ですが、これまでに比べてずっと気楽で自信もあります」
昨年、主役級に大抜てきされたSBSドラマ『愛する人よ』では、放映中ずっと「国語の教科書を読んでるみたい」「ただ目をむいてるだけ」といった悪評に苦しめられた。メロドラマにははつらつとした彼女の可愛らしさ、魅力を発揮できる場所はなかった。MBC『冬の鳥』では、脚本家が彼女の演技力のなさを問題視し、留学に行く設定に変更、途中で降板することになった。「当時は毎日、脚本家の先生にしかられていたので、意欲も失っていきました。監督はそれでも最後までと考えてくれていたようですが、わたし自身がそんな姿を見せるくらいならいっそドラマを降りるほうがましだと思ったんです(笑)」
そんな話をしながら笑えるものかと思ったが、彼女はドラマ降板後は友達と遊ぶのに夢中で演技のレッスンなどしなかったと、あっけらかんと話す。「演技はレッスンでうまくなるものではなく、いろいろなことを経験して感じることで自然と体得しなければいけないと思うんです。演技が下手だと指摘されたけれど、新人のときは誰でも経験することだと思います」
そして『リトルママスキャンダル』に出会った。身の丈に合った服を身に着ける喜びがどのようなものか、実感している。「高校時代は本当に問題ばかり起こしていたんです。毎日9時にのそのそ登校して、塀を越えて中に入って。授業中はお菓子を食べて先生に怒られて…でも、お酒やたばこ、異性問題はなかったですよ(笑)。問題児というよりおてんばのレベル。それでも、当時のことを生かしながらヘジョンを演じています」
ヘジョンは美人局のようなことをしながらも、実際には援助交際しようとする男たちをしかり飛ばし、一線を越えることはない女の子だ。「実際にヘジョンのような子がいるでしょうか。ダメ男をこらしめるヘジョンを見て、視聴者の皆さんは代理満足を得ているのでは」と話す。
ドラマの撮影はすでにすべて終了している。監督には「演技力が伸びたのが見え、教えたかいがあった」と言われたという。自分でいい演技ができたと思えた放送回の日は、周囲の人にテレビを見るように電話するのだと笑った。
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