ユン・ソギョル(尹錫悦)大統領が国会の施政演説に参加しない可能性が高くなったことを受けて、野党は「大統領としての責務を全うせよ」と促した。尹大統領の党公認への介入疑惑が浮上している中で施政演説への不参加まで続いた場合、与野党間の摩擦がさらに広がるものとみられている。

国民の力のチュ・ギョンホ代表は3日、国会で記者懇談会を開き、「(国会予算案の演説は)首相が代読するのではないかと思う」と述べ、「民主党が大統領を弾劾すべきだと街頭演説を行いそうな現在の雰囲気で、落ち着いた施政演説になるだろうか。政争に発展する可能性が高い」と述べた。先立って大統領秘書室のチョン・ジンソク室長は1日、ソウル市ヨイド(汝矣島)の国会で開かれた運営委員会の国政監査で「現在としては国務総理が施政演説を行うものとみている」と述べ、尹大統領の施政演説不参加の可能性に言及した。

施政演説は大統領が予算案審議を控えて国会に出席し、国の財政状況に対する説明と協力を要請する場だ。施政演説は大統領が行うのが原則だが、イ・ミョンバク(李明博)政権までは就任の初年度のみ大統領が直接行い、その後は首相が代読してきた。パク・クネ(朴槿恵)政権発足後は大統領が毎年直接施政演説を行い、昨年までこれが11年連続で続いてきた。尹大統領も就任1年目と2年目には直接施政演説を行ってきた。

しかし、尹大統領と政治ブローカーのミョン・テギュン氏の録音記録が公開され、キム・ゴンヒ(金建希)夫人の特別検事法をめぐり与野党の対立が深まり、政争を避けるために大統領室が従来の慣例を破ろうとしている。先立って尹大統領は1987年の民主化以降初めて9月の国会の開会式にも参加していない。

これに対して野党は、施政演説を行い党公認への介入疑惑などについて釈明するよう求めている。パク・チャンデ院内代表は「国民を遠ざけず、4日に決まっている施政演説に必ず参加してほしい」とし、「国民の代表の前で国の予算をどのように使うのかについて話してほしい」と要求した。さらに「責任問題をこれ以上先送りにせず、(録音記録など党公認介入疑惑に関連するもの)だけでなく、すべての疑惑に対しても明らかにすることを願う」と強調した。

改革新党もこの日、報道官の論評を通して「国会での衝突が心配ならば、現場で対話により解決するのが正道で、大統領室をめぐる疑惑が気になるなら国民の前に出て行くのが原則」と述べ、「山積した問題に直面しても、これを解決しようとする大統領の姿に期待する。いくら逃げてもそこに楽園はない」と表明した。

与党の一部からも、予算案の施政演説を行うべきとの主張が提起されている。

ユ前議員は「金夫人問題が国政の全てではないのではないか。どうして韓国が金夫人1人のためにブラックホールに落ちてもがかねばならないのか」と述べ、「施政演説で大統領は来年の予算案はもちろん、重要な国家的懸案についての政府の政策を明らかにし、議会の協力を求めなければならない」と指摘した。

国民の力のアン・チョルス(安哲秀)議員は「朴槿恵元大統領も支持率の急落が危機の始まりだった」と述べ、「危機の本質を直視し、尹大統領が検事だった頃の初心に帰って国民の目線で民意に従うことを願う」として、大統領の謝罪を促した。
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