最大野党「共に民主党」など野党陣営は尹大統領夫人の金建希(キム・ゴンヒ)氏を巡る疑惑への追及を強めている。また、尹大統領と政治ブローカーとされるミョン・テギュン氏との通話の録音ファイルが公開されたことを受け、野党は攻勢をさらに強める構えだ。
世論調査会社のリアルメーターが今月4日に発表した尹大統領の支持率は22.4%となり、同社の調査で就任後最低を更新。与党「国民の力」は29.4%で、尹政権発足後最低を記録した。同党では危機感が高まっており、尹大統領の今回のメッセージが世論を反転させるきっかけになるとの期待が上がる一方、より大きな危機の引き金になりかねないとの懸念が交錯する。
尹大統領との不仲説が浮上している国民の力の韓東勲(ハン・ドンフン)代表に近い議員らは尹大統領が大統領室と内閣の人事刷新や夫人の外部活動の全面中止、大統領の親族らを監察する特別監察官の任命など抜本的な対策を打ち出すよう求めている。韓氏は5日、「国民の目線に合った談話になることを期待しており、必ずそうならなければならない」と強調した。
尹大統領は今回の会見で時間や質問の分野・数などを制限せず、さまざまな質問に答える方針という。政権を揺るがす悪材料が相次いで出たことを受け、大統領自ら収拾を図る必要があると判断したもようだ。
ただ、大統領室は人為的な人事刷新の要求には応じないとの立場で、夫人の活動も外交・儀典などでは中止できないとの姿勢をちらつかせている。
共に民主党は14日の国会本会議で、金氏を巡る疑惑を政府から独立した特別検察官に捜査させる法案を提出する方針だ。同法案の提出は3回目となる。尹大統領が拒否権を行使しても28日の国会で再採決を行う計画だ。
政治評論家のパク・サンビョン氏は「鍵は夫人問題の解決策」として、「(尹大統領の)メッセージが国民の考えとかけ離れる場合、与党と政府の対立や与党の内紛激化につながり、特別検察官法案が可決する可能性が濃厚だ」との見通しを示した。
明知大の申律(シン・ユル)教授(政治学)は「とりあえず謝る姿勢が必要だ」としながらも、2017年に朴槿恵(パク・クネ)元大統領が弾劾訴追され、保守政権が崩壊した経験があるため、国民の力の分裂には発展しないと見込んだ。
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