韓国最高裁は殺人、死体隠匿の容疑で起訴された30代のコ被告の上告を棄却したと8日明らかにした。
2012年に結婚し3人の子を養育していたコ被告は、2018年と2019年にそれぞれ娘と息子を病院で出産し、退院直後に自宅と病院付近の路地で子どもの首を絞めて殺害した容疑で起訴された。コ被告は殺害後、子どもの遺体を黒いビニール袋に入れて自宅の冷蔵庫に保管した。これは昨年6月、警察の家宅捜索の過程で発見された。
この事件で争点となったのはコ被告の行為が一般の殺人罪ではない嬰児(えいじ)殺害罪に該当するかどうかだった。被告人側は「出産による非正常的な心理状態で行った犯行」として嬰児殺害罪を主張したものの、裁判所はこれを受け入れなかった。
1審、2審ともコ被告の容疑を全て有罪と認め懲役8年を宣告した。
1審裁判部は、「被告人は初産婦ではなく経産婦で、医療陣の助けを受けて正常的に出産した」とし、「それぞれの殺人までに29時間が経過し、その間に日常的な活動をするなど分娩の影響から抜けた状態だった」と判断した。
被告人側が主張した心神耗弱も認められなかった。1審裁判部は、「憂うつ感や周産期うつ病(妊娠中または出産後初年に発生する気分障害)があったとしても、これは経済的な問題と育児の問題によるものだけで、分娩過程の影響により非正常的な心理状態が引き起こされたわけではない」と判断した。
ただ、裁判部は量刑と関連し、「豊かではない暮らしの中で3人の子を育て新生児まで養育すれば、3人の子すらきちんと育てられないかもしれないという考えが犯行に影響を与えたという点、初犯である点などを考慮した」と説明した。
最高裁は、「原審の判断に殺人罪、死体隠匿罪の成立に関する法理を誤解し判決に影響を与えた過ちはない」として原審判決を確定した。
一方、ことし2月9日から嬰児殺害罪の条項が削除された改正刑法が施行されている。これにより、今後は類似事件で嬰児殺害罪が適用されるかどうかが争点になることはないとみられる。
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