李氏をめぐっては、ソウル郊外のソンナム(城南)市長だった当時に進めた都市開発で収賄の疑惑がある。李氏はこの都市開発に関連して、市内の土地が不正に用途変更された疑惑をめぐり、前回大統領選の候補者だった21年、「国土交通部(部は省に相当)に脅迫されて実施した」と国会で主張した。
地裁は今月15日の判決公判で、李氏のこの発言を虚偽と認定。「選挙の過程で有権者に虚偽の事実が公表されれば、有権者が正しい選択をすることができなくなり、民意が歪曲(わいきょく)され、選挙制度の機能と代議制民主主義の本質が損なわれる恐れがあるという点で、罪責が軽いとは言えない」とし、有罪とした。
判決後、李氏は地裁前で取材に応じ、「基本的な事実認定から到底受け入れ難い結論」と不満を示し、控訴する考えを示した。その上で、「法廷はまだ2回(高裁、最高裁)残っている」とし、「国民の皆さんも常識と正義に立脚し判断すれば、十分結論にたどり着けると思う」と述べた。
判決には、李氏が代表を務める「共に民主党」からも反発の声が相次いでおり、チョ・スンネ首席報道担当は「検察が始めたユン・ソギョル(尹錫悦)政権の大統領候補殺し、政敵抹殺の試みに判決でこたえたもの」と怒りをあらわにした。その上でチョ氏は「民主党は、李代表と共に動揺することなく闘っていく」と述べた。
一方、与党「国民の力」は「李氏と『共に民主党』は判決を謙虚に受け入れ、謝罪すべき」とコメントした。同党のハン・ドンフン(韓東勲)代表はSNSに「司法の決定を尊重し、敬意を表する」とした上で、「『国民の力』は国民と共に司法の独立と攻勢に対する意志を守る」と記した。また、チュ・ギョンホ院内代表は「(司法府は)大韓民国の正義が生きているということを示した」と述べた。
李氏は27年に行われる大統領選で、「共民主党」の有力候補として名前が挙がっている。しかし、今後、最高裁で判決が確定すれば、国会議員を失職し、10年間、被選挙権が停止となり、出馬することができない。李氏は他にも複数の事件で公判が続いており、公判の行方が次の大統領選挙に向けた政局に影響を及ぼすのは必至だ。
韓国紙のハンギョレは、「予想を超える量刑に、野党では『衝撃的』との声で溢れている」とし、「野党の有力な次期大統領選候補である李代表が『政治的没落か、大統領か』の岐路に立たされることになっただけに、野党は対与党闘争を強めるとの見通しが示されている」と伝えた。
さらにハンギョレは「与野党は今後、それこそ『生死を賭けた』対決構図へと突き進むだろうとの見通しが示されている。相次いで予想されている裁判が李代表の政治生命を絶つ結果につながることを防ぐために、野党が判決の確定をする前に、『尹錫悦政権早期退陣』に『全てを賭ける』可能性が高いからだ」と指摘した。
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