故ク・ハラさんの兄は8月、あるメディアを通じて「ク・ハラのように悲しい人生を生きてきた方々を救おうと考えている」と語り、「私たちの社会が普遍的正義と人道に合った場所に変わることを願う」と話した。
これは扶養義務を果たさなかった親に子供の財産を相続できないようにする、いわゆる「ク・ハラ法」が国会を通過した際にク・ハラさんの兄が語った感想だった。ク・ハラさんの兄が立法請願を行ってから約4年半後のことだ。
ク・ハラさんが亡くなると、20年間連絡を絶っていた実母が突然弁護人を同行して葬儀場に現れ、故人の不動産売却代金の半分を要求した。
当時は子供が死亡した場合、その財産が両親に相続されたため、養育を行わなかった実母はク・ハラさんの財産の40%を得た。
ク・ハラさんの兄は立法を請願して実母への相続を防ごうとしたが政争に押され、国会で廃案の手続きを踏んだこともあった。
来年の1月から施行される同法の改正案は、子供を虐待したり離婚後に養育費を支払わない親らにも影響が及ぶものとみられている。
今年5月にはク・ハラさんが「クラブバーニングサン事件」の糸口を探すのに決定的な役割を果たしていた事実がBBCのドキュメンタリー番組「バーニングサン−Kポップスターの秘密チャットルームを暴露する」を通じて新たに公開された。
2019年にソウル市のカンナム(江南)にあるクラブ「バーニングサン」で起きた暴行と麻薬、性犯罪などに多数のKポップスターがかかわっていた事件で、ク・ハラさんが助けるために立ち上がった理由は、自身もリベンジポルノの被害者だったためだ。
2019年3月、ク・ハラさんを暴行して違法に撮影し、これを流布すると脅迫した疑惑で起訴された元恋人のチェ・ジョンボム氏は2020年10月に最高裁で懲役1年の判決を受けた。
ク・ハラさんはバーニングサン事件について「関与した警察が誰なのか」を調べるのに役立っただけでなく、デビュー当時から親交があったFTアイランドのチェ・ジョンフンを説得したと伝えられた。
そして6月にSBSの番組「それが知りたい」で、ク・ハラさんが亡くなった後に起きた金庫盗難事件にスポットライトが当てられ、話題を集めた。
四十九日の法要を終えて遺品を整理していたク・ハラさんの遺族がそれぞれの家に帰った翌日の2020年1月14日、ク・ハラさんの自宅から金庫が消えた。2ヵ月後に金庫が盗難された事実を知ったク・ハラさんの兄が警察に通報したが、約9ヵ月間にわたる捜査にもかかわらず、容疑者を見つけることはできなかった。
放送によると、犯人は塀を乗り越えてク・ハラさんの自宅に侵入し、他の貴重品は残して金庫だけを持って出て行った。
故ク・ハラさんの代理人のノ・ジョンオン弁護士は「金庫の中にはク・ハラさんの携帯電話が入っていたが、なぜそれだけを狙って盗んで行ったのかに対する動機や経緯は明らかになる必要があると考えている」と述べた。
ク・ハラさんの死亡がバーニングサン事件と関連性があるのかについての疑惑が高まる中、防犯カメラの映像をもとにした金庫盗難犯人のモンタージュ写真に注目が集まっている。
一部のネットユーザーはモンタージュ写真が「歌手のZICOに似ている」と彼を容疑者として名指しし、過去の放送で彼がチョン・ジュンヨンの携帯電話を「黄金の携帯電話」と言及していたことを引き合いに出された。
噂が大きくなると、ZICOの所属事務所は毅然とした法的対応を行うと予告した。
それ以降、モンタージュ写真についての情報提供が数件入ってきたが、まだ容疑者は特定されていない。
警察は容疑者がク・ハラさんの知人である可能性が高いとみて、遺族と知人らに防犯カメラの映像などを見せたが、糸口を見つけることはできないない。
ソン・スホ弁護士は、共犯者がいる可能性についても言及した。
ソン弁護士はCBSラジオでこのように述べ、「金庫の重さにも注目しなければならない。金庫の重さは空の状態で31キロ程度だが、一人で持って移動し続けるのは簡単ではない。そのため、家の外のどこかに共犯者がいたはずだ」と語った。
さらに「たとえ金庫を一人で移動させることができたとしても、その金庫を開けたり壊したりして内容物を確認するために持って行ったのならば、金庫の専門家に任せられた可能性が高い」として、直接的または間接的に関わった人がいるとみている。
ソン弁護士は「窃盗罪の公訴時効は7年だ。この事件は4年半前のことなので、まだ時間が残っている」と述べ、「情報を提供してくれれば捕まえることができる」と呼びかけた。
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