尹大統領の弾劾訴追案　国会に報告＝早ければ６日にも採決

【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領の弾劾訴追案が５日、国会本会議に報告された。

　最大野党「共に民主党」をはじめ「祖国革新党」「改革新党」「進歩党」「基本所得党」「社会民主党」の野党６党の所属議員１９０人と無所属議員の計１９１人は前日午後、尹大統領が３日に「非常戒厳」を宣布し、国民主権主義と権力分立の原則など憲法と法律に違反したとして弾劾訴追案を提出した。

　尹大統領の非常戒厳宣布後、全てのメディアと出版が戒厳司令部の統制を受け、ストライキと集会を禁じるなどの内容が含まれた布告令が発表され、憲法上の表現の自由が侵害されたとの主張も弾劾訴追案に盛り込まれた。

　関連法によると、弾劾訴追案は国会本会議に提出されてから２４時間後、７２時間以内に無記名で採決を行う。

　野党は採決を最大限早めたい考えだ。可決される場合、尹大統領の職務は停止される。

　国会（定数３００）で弾劾訴追案を可決するには在籍議員の３分の２以上の賛成が必要で、１０８議席を持つ与党「国民の力」からの造反が必須となる。

　国民の力は５日未明、非常議員総会終了後に弾劾訴追案に反対する立場を表明した。

　同日の国会本会議では共に民主党が提出した金龍顕（キム・ヨンヒョン）国防部長官の弾劾訴追案も報告された。同党は、憲法と戒厳法上の要件を満たしていなかったにもかかわらず金氏が尹大統領に非常戒厳を宣言するよう要請し、憲法と法律に違反したと主張している。

　金氏の弾劾訴追案は尹大統領に対する同案とともに採決されるとみられる。