韓国観光当局は5日、外国人観光客が旅行をキャンセルする目立った動きはないと明らかにした。
しかし、日本人旅行客の間で旅行を取りやめるケースが出ており、インバウンド専門旅行会社に安全に関する問い合わせが相次ぐなど、営業環境の悪化を懸念する声が出ている。
また、各地で大規模集会が開催されれば交通規制などにより流通業界が打撃を受ける恐れがあり、業界は年末商戦の委縮を警戒している。
日本人観光客を対象とする旅行会社は聯合ニュースの取材に対し、今月末に4泊5日で訪韓予定だった学生団体が旅行をキャンセルしたと明らかにした。
別の旅行会社は、来週に修学旅行で訪韓予定の120人の団体から状況の問い合わせがあったとして、団体旅行が増える3月にキャンセルが増えないか心配だと話した。
韓国旅行業協会の関係者は、日本人は自由旅行が多く団体旅行の規模は大きくないと説明した。
中国人専門の旅行会社は「安全を心配する声はたくさん聞こえてくる」としながら、来週から予約状況に本格的な動きが出るのではないかとの見通しを示した。
英外務省は前日、「戒厳が解除されたが(ソウル中心部の)光化門と大統領室、国会周辺でデモが予想される」とし、韓国を訪れる自国民に注意を呼びかけた。また、イスラエルは韓国に対する旅行警報を発令した。
年末を前に、韓国政府が推進する外国人観光客の誘致にもブレーキがかかりそうだ。文化体育観光部は、今年の外国人観光客の誘致目標である2000万人の達成は難しいものの、訪韓中国人観光客が昨年の2倍を上回り、観光客の国籍が多様化するなど前向きな流れを示していると判断していた。同部の関係者は「状況を綿密にモニタリングしている。旅行会社などを通じて把握したところ、これまでに大きなキャンセルの流れはみられない」とする一方、予約から訪問までの期間が長い欧州や米国など遠方の国からの問い合わせが多いと説明した。
新型コロナウイルス禍以降不況に苦しむ免税業界は、外国人観光客の減少への懸念に加え、ウォン安・ドル高にもため息をついている。
ウォン安がさらに進行すれば免税品の価格が上がり、価格競争力が低下する恐れもある。
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