世界における韓国文化の影響力がK―POPや映画、ドラマからクラシック音楽、文学にまで拡大し、韓国カルチャー飛躍の年になったという評価が出ている。
◇韓江さんにノーベル文学賞 韓国文学から世界文学へ
韓江さんがアジア人女性として初めてノーベル文学賞を受賞したニュースは、韓国のみならず世界の文学界を驚かせた。
ポン・ジュノ監督の映画「パラサイト 半地下の家族」が米アカデミー賞とカンヌ国際映画祭で相次いで受賞し、ドラマ「イカゲーム」が米エミー賞で6冠に輝き、人気グループのBTS(防弾少年団)が米ビルボードで1位を獲得しても、ノーベル文学賞には手が届かないだろうとの見方が優勢だった。文学は翻訳という過程を経る必要があるためだ。
スウェーデンのノーベル賞委員会は10月10日、今年のノーベル文学賞受賞者に韓江さんを選び、歴史的トラウマと見えない支配に立ち向かう人生のはかなさをあらわにしたことや詩的かつ実験的な文体などを受賞理由に挙げた。
声なき声に耳を傾け、人生の苦悩を広く深く見つめ、いかなるタブーにも縛られない韓江さんの文学は、韓国を越えて世界へ進出することに成功した。
韓江さんは悲劇と喜劇が入り混じる人生という普遍性と詩的なリズムの文体という特殊性を武器に、ノーベル文学賞のメダルを手にした。韓国人文学者の受賞は、同賞の121年の歴史で初めてだ。
12月10日にスウェーデン・ストックホルムで開かれた授賞式でスウェーデン国王からメダルと賞状を授与された韓江さんは、晩さん会でのスピーチで「文学作品を読み、書くことは必然的に生命を破壊する全ての行為に反対すること」としながら「最も暗い夜にも言葉はわれわれが何で作られたかを尋ね、言葉はこの惑星に住む人の観点で想像することに固執し、言葉はわれわれを互いにつなぐ」と文学の重要性を強調した。
◇クラシック界でも受賞相次ぐ 実力は世界レベルに
クラシック界でも世界的に権威のある音楽賞やアルバム賞受賞のニュースが相次ぎ、韓国クラシックの地位が高まった1年となった。
韓国現代音楽を代表する作曲家の陳銀淑(チン・ウンスク)は1月、「クラシック界のノーベル賞」と呼ばれるエルンスト・フォン・ジーメンス音楽賞を受賞した。クラシック音楽の作曲、指揮、器楽、声楽、音楽学の分野で毎年1人が選ばれる同賞をアジア人が受賞したのは初めて。
また、ピアニストのイム・ユンチャンは欧州クラシック音楽界の主要アルバム賞を席巻した。
10月には「ショパン:練習曲集」が英国の「グラモフォン・クラシカル・ミュージック・アワード」のピアノ部門と特別賞「若い芸術家」部門の2冠に輝いた。韓国ピアニストのグラモフォン賞受賞は今回が初めてだ。11月にもフランスのクラシック音楽専門誌、ディアパゾンが主催する「ディアパゾン・ドール賞」の「若い音楽家部門」で受賞した。
デウォン文化財団のリュ・テヒョン専門委員は、韓国のクラシックアーティストの実力は完全に世界レベルに達しているとし、「成果だけを喜ぶのではなく内実を充実させ、この次にどうすべきかを考えなければならない」と強調した。
◇BLACKPINKロゼ 世界2大チャートを席巻
K―POPはBTSやBLACKPINK(ブラックピンク)など人気グループが活動をしていない間にも世界的な人気を維持した。
BLACKPINKのロゼが世界的ポップスターのブルーノ・マーズとコラボしたシングル「APT.」は中毒的なフレーズが話題を呼び、世界で流行したコンテンツとなった。世界2大チャートとされる米ビルボードのメインシングルチャート「ホット100」で8位、英オフィシャル・チャート・カンパニーによる全英シングルチャート「トップ100」で2位にランクインするヒットを記録した。
K―POPを代表するスターのBTSは、メンバーのJIN(ジン)とJ-HOPE(ジェイホープ)が今年兵役を終え除隊。軍服務中のJIMIN(ジミン)はソロアルバム「MUSE」とタイトル曲「Who」が世界でヒットし、JUNG KOOK(ジョングク)も昨年発表したソロアルバム「GOLDEN」が米音楽賞「ビルボード・ミュージック・アワード」で2冠を記録した。
また、Stray Kids(ストレイキッズ)、ATEEZ(エイティーズ)、TWICE(トゥワイス)は今年発売したアルバムがビルボードのメインアルバムチャート「ビルボード200」で1位を獲得した。
aespa(エスパ)はヒット曲「Supernova」が複数の音楽授賞式で大賞を受賞。DAY6(デイシックス)の新曲「Melt Down」とヒット曲「Happy」が相次いで音楽チャート1位を獲得するなど、バンド勢の人気も継続した。
音楽評論家のキム・ヨンデ氏は「BTSとBLACKPINKという『ビッグネーム』のグループ活動がなかったにもかかわらず、aespaやNewJeans(ニュージーンズ)のような新世代の活躍でK―POPが成功を続けた1年だった」とし、「(PSY=サイ=の)『江南スタイル』以降最大のヒット曲といえる『APT.』が発表され、K―POPファンを越えて一般大衆の間でも成果を示した」と評価した。
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