記者会見を行う金龍顕前国防部長官の弁護団=26日、ソウル(聯合ニュース)
記者会見を行う金龍顕前国防部長官の弁護団=26日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の金龍顕(キム・ヨンヒョン)前国防部長官の弁護団が26日、ソウル市内で記者会見を行い、金氏が作成した「非常戒厳」の布告令草案には国民に対する通行禁止条項が含まれていたが、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が削除を指示したと明らかにした。

 金氏は尹大統領に非常戒厳を進言したとされ、戒厳が解除された4日に辞意を表明。尹大統領は金氏を免職した。金氏は8日に緊急逮捕された。

 金氏の弁護団の劉承秀(ユ・スンス)弁護士は会見で、金氏が草案を作成したのは事実だとした上で「大部分の内容を金氏が作成し、大統領はこれを検討し、一部修正した」と述べた。

 また、「戒厳は一般的に国民に対する通行禁止が入るが、金氏が作成した草案にはこのような内容が含まれていた」としながら、「大統領が『国民に警鐘を鳴らそうとする』という目的通り、戒厳は一般国民に向けたものではないと強調し、削除を指示した」と説明した。

 弁護団は、非常戒厳が国政をまひさせようとする国会への「警告」として宣布されたものであり、戒厳宣言は大統領の権限のため、内乱罪にはあたらないと改めて主張した。劉氏は「全面的・実効的な戒厳を成し遂げようとしたなら兵力を事前に投入し、国会への進入を完全に統制し、早朝に戒厳を宣布したはずだ」と強調。「国会と中央選挙管理委員会に最小限の兵力だけを投入し、実弾を個人に支給したり携帯させたりしないことを基本原則とした」と主張した。

 弁護団のイ・ハサン弁護士は「尹大統領は国会議員の出入りや議事活動を妨害しないよう指示した」と明らかにした。

 非常戒厳の謀議を主導したとされるノ・サンウォン元国軍情報司令官については、「大統領とは全く関係ない人物」とした一方、「金前長官がノ元司令官から諮問を受けたことは事実」と説明した。

 劉氏は一部の報道機関の会見出席を認めなかったことに関しては、「(一部の報道機関は)金前長官はまだ捜査が行われているにもかかわらず『内乱犯』と確定した」として、「政治的」と批判した。


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