官報によると、ソウル中央地裁は昨年11月、国家保安法違反などの罪に問われ懲役刑を言い渡されたハンさんの再審で無罪が確定したと明らかにした。
ハンさんは韓国南部・済州島の中学校に勤務していた1967年、朝鮮総連関係者と手紙で交流し、校長官舎新築の目的で63万ウォン(現在のレートで約6万8000円)を受け取った容疑で逮捕、起訴され、1971年に懲役3年、執行猶予5年の刑が確定した。
その後、拷問の後遺症に苦しみ、生活苦に追い込まれたハンさんは1989年に亡くなった。
韓国の国家機関「真実・和解のための過去事整理委員会」は2023年、同事件の真実を究明することを決定した。
同委員会の調査によると、当時の警察はハンさんを不法に連行し、ホテルや警察署の取調室などを転々としながら電気器具で拷問し、虚偽の自白を得た。
ハンさんが連絡を取り合っていたのは在日本大韓民国民団(民団)に所属していたか朝鮮総連との関係を断った人たちだった。当時の警察もこの事実を後から確認し、一審判決の約3週間前に検察に事実調査結果報告書を送ったが判決は変わらなかった。
ハンさんの遺族は2022年9月に再審を請求し、裁判所は翌年5月に再審開始の決定を下した。検察は即時抗告と再抗告を行ったがいずれも棄却された。
裁判所は昨年1月に無罪を言い渡したが検察は控訴した。同10月の二審でソウル中央地裁はハンさんの無罪を言い渡した。検察は上告しなかった。
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