北朝鮮はこの日、「新型で極超音速の中長距離弾道ミサイル」の発射実験に成功したとし、「いかなる精密な防衛障壁も効果的に破り、相手に甚大な軍事的打撃を加えることができる」と強調した。
極超音速ミサイルは大気圏内でマッハ5(音速の5倍)以上の速度で飛行し、一般的な放物線弾道軌道とは異なる変則軌道を取るミサイルを指す。
韓国型ミサイル防衛(KAMD)をはじめとする現代のミサイル防衛システムの大半は弾道軌道ミサイルを対象に設計されており、極超音速ミサイルはミサイル防衛システムの弱点を突くものといえる。
北朝鮮は、ミサイルの弾頭が「1次最高高度99.8キロ、2次最高高度42.5キロで予定された飛行軌道に沿って飛行した」と明らかにした。
公開された写真をみると、ミサイルは発射後上昇して1次最高高度に達し、この前後に弾頭が分離された後に下降と上昇を繰り返し、2次最高高度を記録した後、終末段階に入ったと推定される。
北朝鮮は、昨年4月に行った発射実験の際にもミサイルが2回最高高度に達したと発表したが、韓米当局は当時、1次最高高度の後に水平に動き、下降する航跡だったと分析した。
今回のミサイルが実際に2次最高高度に達し、飛行中に軌道変更に成功したとすれば技術的進展があったといえる。ただ、2度の上昇・下降は極超音速ミサイルの回数としては不足しているとの見方が出ている。
合同参謀本部のイ・ソンジュン広報室長はこの日の定例会見で「北が主張する飛行距離と2次最高高度は欺瞞の可能性が高いと判断する」とし、ミサイルは1次最高高度に達したが2次最高高度には達しなかったと指摘した。
イ氏はまた、「極超音速ミサイルは縦深(作戦範囲)が短い朝鮮半島内では性能を発揮するのが難しいだろう」と述べた。作戦環境が狭く、監視の空白領域がほとんどない朝鮮半島では、ミサイルが変則的に起動しても追跡や探知が可能だという意味と分析される。
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