大韓サッカー協会長選挙延期、前代未聞の事態…裁判所「重大な手続き上の違法」
大韓サッカー協会長選挙延期、前代未聞の事態…裁判所「重大な手続き上の違法」
大韓サッカー協会の会長選挙が、選挙の前日に延期されるという前代未聞の事態が発生した。これは、第55代大韓サッカー協会会長選挙に立候補していた元代表チーム監督のホ・ジョンム(許丁茂)氏が提出した会長選挙禁止の仮処分申請が受理されたためだ。

 ソウル中央地裁民事合議50部は7日、許候補がサッカー協会を相手に提出した会長選挙禁止の仮処分申請について、認容の決定を下した。この決定により、8日に行われる予定だったサッカー協会長選挙は、前日にストップがかかることとなった。

 大韓サッカー協会は裁判所の認容決定を受け、「第55代大韓サッカー協会長選挙日が暫定的に延期されることをお知らせします。今後の予定が決まり次第、通知いたします」との声明を発表した。

 裁判所は、現在行われているサッカー協会長選挙について、「選挙の公正を著しく侵害し、結果として選挙手続きに影響を与えたと認められる重大な手続き上の違法が存在する」と判断した。また、選挙人団の大多数が透明性と公正性が確認されていない抽選手続きによって構成されていることを指摘した。

 さらに、選挙管理運営委員に任命された者の身元が公開されていないため、委員会が定款および選挙管理規則に適合して構成されているかを確認できなかったとも述べた。裁判所は、選挙が実施されればその効力に関して後続の紛争が引き起こされる可能性が高いと見込んでおり、これらの点を考慮した結果、仮処分申請を受理する必要性が証明されたと結論づけた。

 許候補は、先月31日に協会長選挙が不公正に進められているとして、選挙の禁止を求める仮処分申請を行った。選挙がオンライン方式を採用せず、オフラインの直接投票のみで行われるため、冬季合宿に参加するプロサッカーの指導者や選手が事実上排除され、規定よりも21名少ない選挙人団が構成されるなど、選挙管理が不合理に行われていることが仮処分申請の理由だ。

 許候補側は、選挙日がプロクラブの指導者や選手の大半が合宿で海外に出ている時期であるため、不在者のためのオンライン投票を実施すべきだと主張してきた。しかし、サッカー協会の選挙運営委員会は、オンライン投票は秘密投票の保証が難しく、国内の他の競技団体や国際サッカー連盟(FIFA)などの上位国際機関もオフライン投票を行っているため、許候補側の要求を受け入れなかった。

 また、許候補は、サッカー協会選挙運営委員会が「同意書未提出」を理由に選挙人団の一部を排除し、選挙人団が規定で定めた194名よりも21名少ない173名で構成されている点についても問題を提起した。

 さらに、許候補はサッカー協会選挙運営委員会の委員の顔ぶれが公開されない点も問題視した。規定上、サッカー協会と関連のない学界、言論界、法曹界などの外部委員が全選挙運営委員の3分の2以上でなければならない。しかし、各委員の身元が不明なため、排除理由に該当するかどうかを確認すらできない。そのため、不公正な選挙が疑われると許候補側は主張している。
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