『帝国の慰安婦』の著者、朴裕河教授が損害賠償訴訟の控訴審で勝訴…裁判所は「客観的記述」と判断=韓国
『帝国の慰安婦』の著者、朴裕河教授が損害賠償訴訟の控訴審で勝訴…裁判所は「客観的記述」と判断=韓国
元慰安婦の名誉を毀損(きそん)したとして訴訟に巻き込まれた『帝国の慰安婦』の著者、パク・ユハ(朴裕河、68歳)世宗大学名誉教授が控訴審で勝訴した。

 裁判所は、該当の著書は学術的表現物に該当し、朴教授が学問の分野で通常容認される範囲を著しく逸脱する不正行為を行ったとは言えず、元慰安婦の人格権を侵害したとは判断しにくいとした。

 ソウル高裁は22日、元慰安婦9人が朴教授を相手に提起した損害賠償訴訟の控訴審において、1審とは異なり原告敗訴の判決を下した。1審では、1人当たり1000万ウォン、計9000万ウォン(約978万円)の賠償が命じられていた。

 高裁は、「該当の著書は学術的・客観的記述である」とし、「原告らが感情的な影響を受けたとしても、そのような不利益と学問的自由を保障する憲法的価値を比較・量刑した場合、被告が耐え難い限度を超えて原告の人格権を侵害したとは考えにくい」と判断した。

 さらに、「被告の見解は多くの支持を受けない見解の可能性がある」としながらも、「これは学界や社会の評価および討論過程を通じて検証されるべきであり、不法行為の責任を容易に認めることは、自由に見解を表明する権利を過度に萎縮させる恐れがある」と指摘した。

 朴教授は2013年8月、慰安婦問題を帝国主義の欲望に動員された個人の犠牲として捉えた内容を含む『帝国の慰安婦』を出版した。この書籍には、慰安婦を「精神的慰安者」、「軍人の戦争遂行を助けた愛国娘」、「自発的売春婦」などと表現した文言が34個含まれている。

 これに対し、元慰安婦9人は2014年7月、朴教授を相手に1人当たり3000万ウォンの賠償を求める訴訟を提起した。1審判決は2年後の2016年に出されたが、別途朴教授が名誉毀損の疑いで起訴され、刑事裁判が進行していたため、その結果を待つ間に民事裁判は進行を停止した。

 最高裁は2023年10月、朴教授に対して無罪の判決を下し、昨年4月に無罪が確定した。最高裁は「学術的研究に基づく意見表明を名誉毀損罪における事実の摘示として評価するには慎重であるべきだ」とし、「基本的研究倫理を違反したり、該当分野で通常容認される範囲を著しく逸脱し学術的過程とは言えない行為の結果であるか、論旨や文脈と無関係な表現で他者の権利を侵害する特別な事情がない限り、原則として学術的研究のための正当な行為」と述べた。
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