ドナルド・トランプ米大統領が野心的に発表した、人工知能(AI)投資にイーロン・マスクがブレーキをかけた。

トランプ当選の一等功労者であるテスラのCEO、イーロン・マスクだ。就任式でも、主要企業CEOの中でトランプと最も近い席に座るなど、親密ぶりを示した。

トランプは21日、オープンAI、オラクル、ソフトバンクが「スターゲート(Stargate)」を結成し、最大5000億ドル(約78兆円)規模のAIインフラファンドを造成すると発表した。これにより、翌日、S&P500が日中史上最高値を更新するなど、米国株式市場は一斉に上昇した。

ところが、イーロン・マスクがこのようなお祭り騒ぎに水を差したのだ。

マスクは、Xを通じて「ソフトバンクは100億ドル(約1兆5000億円)未満の現金を持っている」とし、「彼らは投資するお金がない」と指摘した。

実際、ブルームバーグは9月末現在、ソフトバンクの貸借対照表には250億ドル(約3兆9000億円)の現金および現金同等物しかないと報じた。

一方、オープンAIのCEOであるサム・オルトマンは、ソフトバンクの流動性を指摘したマスクの主張に対し、Xの投稿で「あなたも知っているように間違っている」と指摘した。たとえ現金がなくても、ソフトバンクは資金を調達する能力が十分だという。

続けて、「国に良いことが常に会社に良いとは限らない」とし、「新しい役割では、米国を優先してほしい」と付け加えた。自分の会社が含まれていないことを非難するのではなく、政府で主要な役職に就いたのだから、国益を先に考えろという忠告だ。

マスクがトランプの最初の作品にブレーキをかけたのは、オルトマンとの長年の悪縁のためというのが大方の分析だ。

マスクは2015年、オープンAI設立に深く関与したが、会社を去った。オープンAIの取締役だったマスクが会社に対する絶対的な支配権を持とうとしたため、追放されたという噂だ。

これより決定的な理由は、マスク自身がAI会社を保有していることだ。 彼は昨年「xAI」を設立し、AI分野に出馬票を投じた。

トランプが自分のxAIではなく、オープンAIを選択したことに対する不満で「スターゲイトに十分な現金がない」とヤジを飛ばしたのだ。

マスクがトランプの遊説に直接参加し、支持演説をするなど、トランプを積極的に助けたのは、電気自動車を保護するためではなく、自動運転車免許権の早期獲得はもちろん、次期成長動力として急浮上したAI分野で主導権を握るためだった。

ところが、就任当初から自分の計画が破綻する兆候を見せると、すぐに手を引いたとみられる。
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