麻薬容疑で実刑判決の40代男性、控訴審で無罪判決=韓国
麻薬容疑で実刑判決の40代男性、控訴審で無罪判決=韓国
韓国で違法薬物を知人に提供し、自らも使用したとして一審で実刑判決を受けた40代の男性が、控訴審で無罪を言い渡された。これは、唯一の直接証拠である目撃者の証言の信ぴょう性が疑問視されたためだ。

 韓国釜山地方裁判所の刑事控訴1部は、麻薬類管理法違反で起訴されたA氏に対する控訴審判決公判において、懲役1年を言い渡した原審判決を破棄し、無罪を宣告したと27日に発表した

 A氏は2021年2月20日、釜山の蓮堤区にあるモーテルで、メタンフェタミン(別名ヒロポン)0.12グラムを知人B氏に無償で渡した後、使い捨て注射器で自分の腕に注射した疑いで裁判にかけられていた。

 A氏は警察の捜査から裁判に至るまで、「そのような事実はない」と検察の起訴事実を一貫して否定してきた。

 一審では、B氏が被告人から薬物を受け取り、A氏が使用する場面を目撃したとの証言や、B氏がA氏を陥れる理由がないこと、A氏の同種前科などを根拠に実刑判決が下された。

 しかし、控訴審の裁判所は、起訴事実の唯一の直接的証拠であるB氏の証言について、合理的な疑念の余地なく認められる信ぴょう性があるとは判断できなかった。

 特に、裁判所は「B氏が被告人に金を渡し、薬物を入手してほしいと頼んでおきながら、自身は使用せずに被告人だけが使用する場面を見ていたということは、経験則に照らして納得しがたい。また、B氏が60万ウォンを渡した後、それを返してもらえなかった問題で被告人との間に対立があったことを考慮すると、虚偽の証言をした可能性も排除できない」と無罪の理由を説明した。
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