1日、韓国貿易投資振興公社(KOTRA)によると、中国の冷凍ベーカリー製品市場の規模は、2013年にはわずか20億元(約428億円)だったが、2021年には111億元(約2375億円)と8年間で5.5倍に成長した。年間複合成長率(CAGR)は23.9%に達しており、この市場規模は2032年には900億元(約2兆円)に達すると予測されている。
冷凍ベーカリー市場の成長は、中国国内におけるベーカリー製品の需要増加によるものだ。中国のある調査によると、昨年ベーカリー製品の購入頻度について「週に1回以上購入する」と回答した消費者が全体の90.6%に達した。
冷凍ベーカリー製品は、中国国内で企業向け・消費者向けの両市場で著しい成長を遂げている。企業にとって冷凍ベーカリー製品は、主要な生産工程を大幅に削減できるため、納品先店舗の人件費や製造コストを効果的に抑えることができる。また、冷凍技術のおかげで、製品の鮮度や風味を保ちながら、最大6か月以上の保存期間を確保できるという利点もある。
このような中、中国国内の倉庫型スーパーマーケットであるサムズクラブ(Sam’s Club)やコストコ(Costco)などは、モチパン、ゼリーロールケーキ、ドリアンクレープケーキといった商品を販売している。これらの製品は手頃な価格と優れた味で中国のSNSで大きな話題となり、人気を集めている。
スーパーマーケットでは、さまざまな味のピザ、ドリアンパン、エッグタルトなども人気で、売り切れるほどの盛況ぶりだ。また、スターバックス、ラッキンコーヒー(瑞幸咖啡)、ヘイティー(喜茶)といった飲料・コーヒーフランチャイズブランドでも、冷凍製品を仕入れ、簡単な調理を加え、販売している。
消費者の立場から見ても、冷凍ベーカリー製品の価格は常温ベーカリー製品の30〜80%程度に過ぎず、気軽に購入できる点がメリットとなっている。実際サムズクラブで販売されているベーグルは7個入りで23.8元(約510円)と安価だ。手頃な価格と安定した品質で、2023年のサムズクラブ中国のベーカリー製品のオンライン・オフライン総売上は27億5000万元(約594億円)を超えた。
さらに、中国では一人暮らし世帯の増加に伴い「ホームエコノミー」や「一人ご飯」といった社会現象が定着しつつあり、冷凍ベーカリー製品に対する消費者の需要はさらに高まっている。エアフライヤー、電子レンジ、オーブンなどの小型家電の普及も、この市場の成長を後押ししていると分析されている。
KOTRA関係者は「現地の冷凍ベーカリー製品市場で競争力を持つためには、安定した製品品質の維持、適正な価格設定、そして急速に変化する消費者の趣向に素早く対応することが重要だ」と述べた。特に「最近、中国政府の食品安全に関する要件や関連規制が厳しくなっているため、これらの基準を慎重に確認する必要がある」と強調した。
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