憲法裁判所に入る李祥敏・前行政安全部長官=11日、ソウル(聯合ニュース)
憲法裁判所に入る李祥敏・前行政安全部長官=11日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の憲法裁判所は11日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の罷免の是非を判断する弾劾審判の第7回弁論を開いた。証人として出廷した李祥敏(イ・サンミン)前行政安全部長官は昨年12月3日に尹大統領が「非常戒厳」を宣言した当時、報道機関の電気や水道を止めようとしたことはなく、指示を受けたこともないと証言した。

 尹大統領の起訴状には尹大統領が李氏に対し、午前0時ごろに革新系紙のハンギョレ新聞と京郷新聞、テレビ局のMBCとJTBCなどを封鎖し、消防庁を通じ電気や水道を止めさせるよう指示する内容が書かれた文書を見せたと記されている。

 李氏は「行政安全部長官に警察や消防を指揮する権限がなく、大統領はそのことをよく知っているため、私にそのような指示をすることはない」と述べた。ただ、「大統領(執務)室で数枚の紙切れを遠くから見たが、その紙切れに『消防庁』『断水』『断電』などが書かれていた」と述べた。紙切れは尹大統領執務室の机の上に置かれ、MBCやJTBC、ハンギョレなどの名前もあったという。

 李氏は「(尹大統領に非常戒厳の宣布を)思いとどまらせるため(執務室に)入り、1~2分間いたときにちらっと見た」と説明した。そのうえで、自身の事務室に戻り、消防庁長に「万一の場合に備え、国民の安全を最優先にするよう要請した」とし、「報道されているように消防庁長に断電や断水を指示したわけではない」と改めて主張した。


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