政局不安や通商環境の悪化などで下振れリスクが高くなったと判断し、昨年11月時点より0.4ポイント引き下げた。
◇消費・投資・輸出すべて下方修正
KDIは今年の韓国のGDP成長率を1.6%と予測した。上半期に0.9%、下半期に2.2%成長すると見通した。
KDIの予測は経済協力開発機構(OECD、2.1%)、国際通貨基金(IMF、2.0%)、政府(1.8%)より低く、韓国銀行(中央銀行、1.6~1.7%)とほぼ同じ水準だ。
KDIは先ごろ発表した資料で、韓国経済について内需回復が遅れている中、これまで高かった輸出増加の勢いが落ち着き、成長の勢いが弱まっていると診断した。また景気状況に比べて金利が高いことに加え、政局不安にともなう消費者心理の冷え込みが続き、消費は低迷すると指摘した。
これを受け、民間消費の伸び率を従来の1.8%から1.6%へと下方修正した。
設備投資は不確実性の高まりにより、2.1%から2.0%に引き下げた。建設投資は受注不振の影響が続き、従来のマイナス0.7%からマイナス1.2%に下方修正した。
輸出は通商環境の悪化で1.8%増にとどまると予想した。経常収支の見通しも黒字額が930億ドル(1兆4100億円)から897億ドルに下方修正された。
KDIは世界的な貿易戦争が激化すれば韓国経済の下振れリスクが高まりかねないと指摘した。
米国の通商政策の変化による不確実性が長期化し、対内・対外投資需要が縮小すれば韓国の輸出にも打撃が避けられないと分析した。
貿易戦争による各国の景気減速も、輸出の下振れ要因として働きかねないと診断した。また国内の政局不安が長期化し、消費者心理の回復が遅れれば、内需改善が制限される可能性があると予想した。
KDIの鄭圭哲(チョン・ギュチョル)経済展望室長は「従来の見通しではトランプ政権の関税引き上げが時間を置いて進められると予想したが、スピードが思ったより速かった」として「これにともなう不確実性が非常に高まった状況」と説明した。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の「非常戒厳」宣言にともなう混乱や弾劾審判など政局不安の影響に関しては「4~6月期に不確実性が解消されると予想される」として「このシナリオ通りならば成長率に及ぼす影響は0.1ポイント以下だろう」と分析した。
ただ「米政府の政策にともなう通商のあつれきがさらに激化したり、政局不安が予想より長期化したりした場合は成長率が1.6%より低くなる可能性もある」と指摘した。
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