第7回弁論に証人として出廷する申氏=11日、ソウル(聯合ニュース)
第7回弁論に証人として出廷する申氏=11日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の憲法裁判所は11日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の罷免の是非を判断する弾劾審判の第7回弁論を開いた。尹大統領側が証人として出廷した申源湜(シン・ウォンシク)国家安保室長に対し、「中国が他国の政治に介入する事例があることを知っているか」と中国による「選挙介入説」について尋ねたが、申氏は「報道を見たことはある」などと述べるにとどめた。

 尹大統領の支持者の一部は、中国による韓国の選挙への介入疑惑を主張している。尹氏は戒厳を宣言した際に中央選挙管理委員会にも軍を投入している。 

 尹氏側弁護団の車基煥(チャ・ギファン)弁護士は申氏に「中国が他国の選挙に介入することが世界的に話題になっている」とし「中国が他国の選挙に介入する政治工作や、フェイクニュースを利用した認知戦・世論戦またはサイバー戦などを総合して使用することを知っているか」と尋ねた。申氏は「そのような報道を見たことはある」と答えた。

 車氏が「(中国が)企業、僑民、中国人留学生を通じて親中政治家に政治資金を提供したり、支持する世論を拡散したり、選挙でその候補に反対する相手候補に対するフェイクニュースをまき散らすなど多様な方法で韓国への政治介入がたびたび発生する事例について知っているか」と尋ねると、申氏は「海外でそのようなことがあったという報道は見た記憶がある」と述べた。

 車氏が「(中国が)韓国に対して、いくらでも選挙介入の意図があり得ると思うのではないか」と問いかけると、申氏は「仮定を前提(とした質問)に答えない」と素っ気なかった。

 車氏は中国IT大手の騰訊控股(テンセント)が韓国の放送局の系列会社に1000億ウォン(約105億円)を投資したことを知っているかと尋ねると、申氏は「正確に確認したことはない」と答えた。

 さらに車氏が「中国政府の影響を大きく受ける企業が投資することになれば、わが国のメディアや報道機関などが心理戦、世論戦に活用される恐れがあるため、政府当局は警戒心を持って監視するべきではないか」と問いかけると、申氏は「その問題について正確に把握したことがない」と述べるにとどめた。

 申氏はそのほかの中国に関連した質問に対しても確答を避けた。

 車氏が中国の習近平国家主席がトランプ米大統領と会談し、韓国を属国と表現したことがあるとし、「そのような中国であれば、韓国に対してもいくらでも選挙介入を試みることができると思わないか」と尋ねると、申氏は仮定を前提にした質問だと指摘したうえで、「外交に影響を及ぼす恐れがあるので答えない」と話した。


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