CU弘大サンサン店の店内に並ぶ袋麺。種類も豊富だ=(聯合ニュース)
CU弘大サンサン店の店内に並ぶ袋麺。種類も豊富だ=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国・ソウル市内にあるコンビニエンスストア、CU弘大サンサン店はさまざまな韓国即席麺をその場で味わうことができ、「ラーメンライブラリー」と呼ばれている。

 店内の壁一面の陳列棚には数百個の袋麺がぎっしりと並んでおり、図書館を連想させる。ほかのコンビニでは見かけない即席麺も購入できる。中央にあるカップ麺の形のテーブルは訪れる人の目を楽しませてくれる。

 調理器も設置されており、その場で即席麺を味わうこともできる。外国人が多く訪れるため英語、日本語、中国語で使い方が書かれている。

◇豊富な種類、その場で調理できる手軽さが魅力

 農林畜産食品部によると、昨年10月末時点の韓国即席麺の輸出額は前年比30%増の10億2000万ドル(約1550億円)で過去最高を記録した。即席麺の輸出増加の背景として、韓国コンテンツの人気に伴い韓国料理に対する関心が高まったことが挙げられる。

 韓国即席麺の人気が高まったことで外国人観光客の間では即席麺を調理して味わうことができるコンビニや無人店舗が韓国旅行で外せないコースになりつつある。

 CUを運営するBGFリテールは2023年11月末にCU弘大サンサン店に「ラーメンライブラリー」1号店をオープンした。オープン当初から人気を集め、現在は全国に店舗を拡大している。

 CU弘大サンサン店を訪れる客の70~80%は外国人観光客だ。その場で調理して味わえる袋麺は1日平均約120個が売れるという。値段は袋麺と調理用容器を合わせて3000ウォン前後。

 シンガポールから訪れた20代の客は「韓国の即席麺が好きだがシンガポールではなかなか手に入らない上に値段も高い。韓国では安く買えるのでたくさん買って帰りたい」と笑顔を見せた。「ラーメンライブラリーに来たのは初めてだが、直接調理できるシステムが整っているのも印象的だ」と語った。

 BGFリテールの関係者は「外国人客は袋麺を直接調理できる点を興味深く感じている。お湯を注ぐだけのカップ麺ではなく、自分で選んだ袋麺を調理して食べるということが楽しい経験になっているようだ」と述べた。

 ホテルが多いソウル市中区にある24時間営業の無人即席麺販売店も人気だ。

 ホテルの客室内で調理できないため24時間営業の無人店舗は外国人観光客に種類が豊富な韓国の袋麺をいつでも味わうことができる機会を提供する。

 同店舗には約40種類の即席麺があり、外国人客のために最も辛い商品には「hell(地獄)」と書かれた警告メッセージが表示されている。セルフレジや調理器の使い方については英語や中国語などの説明文があり。壁には観光客が各国の言語や韓国語で「おいしかった。また来たい」「もう一杯!」「とてもおもしろい」などと感想を書いたメモ用紙が貼られている。

◇ さらに広がる韓国即席麺の「聖地」

 ソウル市内の韓国即席麺の「聖地」はさらに増えている。

 韓国食品大手の農心は先月27日に現代アウトレット東大門店に即席麺の調理が可能な「ノグリ(タヌキ)ラーメン店」2号店をオープンした。

 昨年7月に明洞にオープンした1号店は同9~11月の3カ月間に月平均約1万2000食を販売し、月平均の売上高は約6000万ウォンだった。

 2号店の店員3人のうち2人は外国人で、イスラム教徒やベジタリアンのための「野菜ラーメン」も販売している。同店舗ではトッピングを追加できるのが特徴。

 関係者は「文化を主導し広めるのは若い世代」だとし、「韓国ラーメンを海外市場に広めるために韓国を訪れる若い観光客を対象とするマーケティング戦略に乗り出している」と説明した。

 こうした店舗が外国人観光客の間で人気を集めている背景について、韓国・仁荷大消費者学科の李銀姫(イ・ウンヒ)名誉教授は「SNS(交流サイト)を通じてBTS(防弾少年団)などK―POPアイドルがラーメンを食べる姿や、韓国のドラマや映画に登場するラーメンをおいしそうに食べるシーンを見て、同じ経験をしてみたいという心理が反映された」との見方を示した。袋麺をゆでる過程で感じる視覚的な楽しさ、手頃な値段も人気の理由に挙げた。


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