講演するパク・チニョンさん=3日、ソウル(聯合)
講演するパク・チニョンさん=3日、ソウル(聯合)
韓国の歌手でプロデューサー、芸能事務所<JYPエンターテインメント>の理事も務めるパク・チニョンが3日、ソウル・世宗文化会館で開かれた<建国60年、60日連続講演>に参加し、<韓流を超え世界へ>をテーマに講演を行った。失敗を恐れず自分が何者なのかを確認するという気持ちで思い切り挑戦しようと聴衆に呼びかけた。客席を埋めた主婦、学生、教師ら各界各層の市民らは「コロンブスのように米国市場を開拓する原動力は何か」「両親からどのような教育を受けたのか」と次々に質問し、パク・チニョンの歌手、事業家としての成功に高い関心を示した。

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パク・チニョンは父親の仕事の都合で小学校1年生から2年半の間米国で暮らしたと、自身の子ども時代を紹介した。マイケル・ジャクソンが好きで黒人音楽に傾倒し、韓国に戻ってからも米軍放送を見てポップス音楽に親しんでいったという。

両親の教育方針はとても合理的で、そのおかげで今の自分があると語った。「わたしがやりたいことがあれば、いいかだめかで答えるのではなく『なぜ』と尋ね、説明を聞いた上で妥当ならば許してくれた。父に口で勝とうとしているうちにだんだん口が達者になった。『なぜ』と尋ねることが良い教育になった」と自己分析した。両親は成功の型にはめるのではなく自分を観察してくれたという。韓国社会には子どもを成功させる公式があると指摘し、「国際中学校、特殊目的高校などがもっとできれば公式が増える。公式に子どもを代入することはとても恐ろしいことだ」と苦言を呈した。

また、金銭的なことに人生の中心的な価値を置かなかったため、夢に向かって一歩踏み出すことができたと振り返った。大きな家で暮らしたい、高級車に乗るために金を稼ぎたいという欲がなかった。金が目的だったこともなく、「お金が必要だとすれば、夢をかなえるために必要なだけ」と語る。いずれ子を持つようになっても「軟弱な子どもになるだけ」だとして財産を残すつもりはないと明かした。自身には金を稼ぐ理由はなく、楽しいことをすることが人生で最も重要なのだと語った。好きなことをするから、自分の能力がどこまでなのかを知りたいから、韓国と米国を行き来しながら昼夜を問わず働いているという意味だ。

しかし、事業がうまくいくのはいいが身体的につらくなってきているとも吐露した。後々、事業はせず歌手に専念するのが夢だという。「ステージでダンスをうまく踊るため、韓国、米国、中国の時差を考え働きながら、1日2時間ずつ運動し発声練習もする。ある線まで行けば辞めたいという気持ちもある。わたしは失敗しても大丈夫、そうしたらすぐ歌手に戻るから」。

米国で海外アーティストに曲を提供しながら感じたことは「運なんだな」ということだ。「それまでの成功がわたしに自信を与えてくれたとしたら、その後の成功はわたしを謙虚にしてくれた。自分が成功したのだということより、言葉で表現し難い幸運、祝福をより大きく感じている」。

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