国家債務の規模およびGDPに対する割合の見通しのグラフ(資料=国会予算政策処)
国家債務の規模およびGDPに対する割合の見通しのグラフ(資料=国会予算政策処)
韓国は今の人口構造と支出が維持された場合、約50年後には国の借金が今の6倍の7300兆ウォン(約760兆円)に達するとの見通しが出た。低出生率と高齢化により経済成長率はますます低くなり、国民年金の枯渇が国の借金を急激に増加させると分析されている。

23日に国会の予算政策処が発刊した「2025年から2072年の長期財政展望」によると、現在の法令・制度を維持した場合、実質GDPの成長率は今年の2.2%から2072年には0.3%水準に下がると推計されている。

国家債務は2025年の1270兆4000億ウォン(約132兆4000億円)から2072年には7303兆6000億ウォン(約761兆円)へと約6倍に増加する見通しだ。年平均の増加率は3.8%だ。

GDPの成長率は下がるが国の借金は増え、GDPに対しての国家債務比率も急速に増加する見通しだ。現在の47.8%から2050年には107.7%と100%を超え、2072年には173%に達すると予想されている。これは2050年には韓国で生産された製品を全て現金化した金額よりも、国の借金の規模の方が多くなることを意味する。

これは政府が稼ぐ収入よりも、支出が大幅に上回ったためだ。政府の総収入は、今年の650兆6000億ウォン(約67兆8000億円/GDP比24.5%)から2072年には930兆2000億ウォン(約97兆円/GDP比22.0%)へと、年平均増加率0.8%にとどまる見通しだが、総支出は676兆3000億ウォン(約70兆4000億円/GDP比25.5%)から2072年には1418兆5000億ウォン(約147兆8000億円/GDP比33.6%)へと年平均1.6%増えるものと予想されている。

特に、予算政策処は国民年金の枯渇が財政赤字に及ぼす影響が最も大きいと分析している。国民年金の累積積立金は2039年に1936兆9000億ウォン(約201兆8000億円)で頂点に達した後、2040年から赤字に転じ、2057年には完全に使い果たすものと予測されている。

コリョ(高麗)大学経済学科のカン・ソンジン教授は「今も毎年70兆ウォン(約7兆3000億円)から80兆ウォン(約8兆3400億円)の赤字を出しており、国の借金増加はすでに問題に直面している」と述べ、「歳入を増やしたり歳出を減らすなど財政赤字を減らす方案を探す一方で、国民年金の枯渇を遅らせるための改革も急がなければならない」と強調した。
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