サムスン電子のスマホを体験するインドの消費者(同社提供)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
サムスン電子のスマホを体験するインドの消費者(同社提供)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
【ソウル聯合ニュース】韓国のサムスン電子とLG電子が、人口14億人のインドで業績を伸ばしている。両社は膨大な内需の潜在力と人材プールに注目し、現地事業を拡大していく計画だ。

 サムスン電子の監査報告書によると、同社のインド法人は昨年の売上高が前年比12.0%増の17兆490億ウォン(約1兆7560億円)、純利益が22.0%増の1兆4084億ウォンを記録した。純利益は2022年(5085億ウォン)に比べ3倍近く増加した。

 インド法人の収益性が急激に高まったのは、インドに20~30代の顧客が多く、中産層が増えていることに加え、スマートフォン(スマホ)市場と家電市場でプレミアム製品の需要が急増した影響とみられる。

 調査会社カウンターポイントリサーチによると、インドのスマホ市場の出荷台数は昨年、1億5300万台に迫った。売上高は、50万ウォン以上の製品の出荷台数増加が追い風となり、前年比9.0%増加し過去最高を記録した。昨年の同市場でのサムスン電子のシェアは1、2位と1~3ポイント差で3位だったが、これは低価格製品の出荷台数が減少した影響であり、むしろ旗艦モデルのギャラクシーSシリーズのようなプレミアム製品によるブランドのシェアは拡大されたという。

 また、昨年1~3月期にインドのテレビ市場で前年同期比40%成長し、シェア16%でトップを占めた。

 業界では冷蔵庫、洗濯機、エアコンの普及率が低いインドで14億人以上の人口を土台にした内需の潜在力が大きく、プレミアム製品に対する需要も増えているため家電市場の規模が次第に拡大するとみている。

 韓国貿易投資振興公社(KOTRA)は、19年に110億ドル(約1兆6566億円)規模だったインドの家電市場が今年は210億ドルに成長するとの見通しを示した。

 業界関係者は「市場の成長性はもちろん豊富な労働力と有能なエンジニアが多く、サムスン電子とLG電子がインド市場に力を注いでいる」と説明した。

 サムスン電子は製品の現地化と顧客との接点拡大に注力している。

 1995年にインドに進出した同社は現在、首都ニューデリー郊外のノイダとチェンナイ近郊のスリペルンブドゥールで生産工場を稼働している。ノイダ工場ではスマホ、タブレット、冷蔵庫を生産している。

 また、研究開発(R&D)センター、サムスン半導体インド研究所(SSIR)、デザインセンターも運営し、多様な分野で約1万8000人を雇用している。

 インドの伝統的な発酵乳の製造と保存が可能な機能などを備えた冷蔵庫を発売したほか、昨年1月にはムンバイに体験型フラッグシップストア「サムスンBKC」をオープンした。

 サムスン電子の韓宗熙(ハン・ジョンヒ)DX(デバイスエクスペリエンス、モバイル・家電)部門長(副会長)は昨年3月と7月にインドを訪れ、「インドは世界で最も大きく速く成長する市場の一つで、サムスンに大きな機会を提供している」と語った。

 LG電子インド法人の売上高も2018年の2兆4703億ウォンから2023年は3兆3009億ウォンと、5年で33.6%増加した。昨年は売上高3兆7910億ウォン、純利益3318億ウォンを達成し、高い成長を続けている。

 同社のノイダ工場では冷蔵庫、洗濯機、エアコン、オーブン、浄水器を、プネ工場では冷蔵庫、洗濯機、エアコン、テレビを製造している。

 特に同社は工場増設とインド法人の新規株式公開(IPO)を推進しながらインド事業の拡大を加速させている。


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