青少年のギャンブルが社会問題として急浮上しているが、韓国政府の対策は立ち遅れている。政府の機関が孤軍奮闘しているが、舵を取るコントロールタワーの不在により効率が大幅に落ちているためだ。青少年のギャンブルに関する管理システムを確立し、本格的な解決策の模索に乗り出すべきだと指摘されている。

共に民主党のパク・ジウォン議員室が法務部から提出を受けた「青少年オンライン不法賭博根絶部署」の進行状況によると、関連部署は2023年の11月にタスクフォースを立ち上げてから16ヶ月間でわずか5回の会議しか行っていない。翌年の3月までに3回の会議を行ってから半年以上にわたり休業状態だったこのタスクフォースは、昨年の11月に再び2回の会議を開き、細かな制度について議論を行った。だが、これも12月3日の非常戒厳令発布事態以降、事実上ストップしている。

ユン・ソギョル(尹錫悦)大統領が「青少年を対象にした不法賭博場の開場は国家の未来を蝕(むしば)む悪質な犯罪」と言及して発足したこのタスクフォースは、法務部・教育部・文化体育観光・保健福祉部・女性家族部・放送通信委員会・最高検察庁・警察庁・射幸産業統合監督委員会などの9機関が参加している。これを通じて青少年のギャンブルを根絶する政策を作るための優先順位を定め、有機的に運営を行おうとの趣旨だった。

タスクフォースの発足後、各機関がこれに関する活動を強化したものの、リーダーの役割をする機関が不在のままだった。実際に青少年のギャンブルを予防する教育とその治療や関連規制まで機関ごとの役割が重複するケースが相当数あるのが実情だ。はなはだしくは案件の分類さえ統一されておらず、現場では混乱を来たしていると吐露する声もある。このような状況のため、青少年のギャンブル問題の核として挙げられている犯罪に使用される口座およびサイトに対する規制法案は議論が進まないままだ。

国務調整室を中心に体系的なコントロールを行い犯罪件数を減らすことに成功したボイスフィッシングの事例のように、青少年のギャンブルに関しても同様の構造による対応が必要だとの声が出ている。すでに同様の問題を認識している英国などの先進国の場合、まずコントロールタワーを設置した上で積極的に青少年のギャンブル問題の解決に乗り出している。

専門家らの意見も同じだ。昨年、国民統合委員会に青少年賭博に関する報告書を提出したベジェ(培材)大学工学研究所のホン・ソンチョ専任研究員は「現在、不法賭博に関する法律や規制権限は多数の機関に分散している」と述べて「不法賭博およびギャンブル依存症に円滑に対応するためには、このような対応をひとつの政策協議体として構成するガバナンスの構築が必要だ」と強調している。韓国刑事・法務政策研究院のチョ・ジェソン副研究員も「機能的に解決できる部署を選定し、関連法制の立法を後押しすべきだ」と指摘している。
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