ユン大統領「釈放」に官邸周辺に集まる支持者ら…警察は警備強化＝韓国

韓国の裁判所が7日、ユン・ソクヨル（尹錫悦）大統領の釈放を認め、支持者らがソウル市ハンナムドン（漢南洞）の官邸などに集結している。警察はソウル拘置所や漢南洞官邸周辺に警備要員を配置し、警戒を強化している。

7日、ソウル中央地裁刑事合議25部（チ・ギュヨン部長判事）は、ユン大統領側が申請した拘束取消し請求を認める決定を下した。

ユン大統領がソウル拘置所からまもなく釈放される見通しとなり、大統領支持者らはソウル拘置所の前に集まり始めた。また、漢南洞の官邸にも集結し始めた。支持者らは太極旗や星条旗を掲げ「われわれが守る」などのスローガンを叫んでいる。

警察も歩道や車道にフェンスを設置し、警察バスを動員して車両のバリケードを築くなどの対応を行っている。警察関係者は「警備に十分な人員を投入する方針だ」と述べた。

ユン大統領の釈放を非難する弾劾賛成団体も続々と集まっている。「ユン・ソクヨルOUT青年学生共同行動」は、この日午後3時30分、大統領室官邸前で「内乱首謀者の拘束を求める中央地裁糾弾」緊急記者会見を開いた。

「ユン・ソクヨル即時退陣・社会大改革非常行動」は、午後7時30分クァンファムン（光化門）で「内乱首謀者・ユン・ソクヨルの釈放を糾弾する緊急集会」を開催する予定だ。

一方、裁判所はこの日、ユン大統領の拘束取消しを決定する際、検察が拘束期間の満了後にユン大統領を起訴したと判断した。

拘束期間満了前に起訴されていたとしても、手続きの明確性を確保し、捜査過程の適法性に関する疑念を解消することが望ましいため、拘束を取り消すのが妥当だという趣旨である。

ユン大統領側は「高位公職者犯罪捜査処の捜査範囲に内乱罪は含まれておらず、職権乱用罪の捜査過程で内乱罪を認識したとする証拠もない」と主張してきた。

また、高位公職者犯罪捜査処と検察が法的根拠なしに拘束期間を恣意的に分割して使用し、身柄引渡し手続きを経なかったとも指摘した。

これに対し裁判所は「弁護側が指摘する点について、高位公職者犯罪捜査処法など関連法令に明確な規定がなく、最高裁の解釈や判断も示されていない状況だ」とし、「この論争を残したまま刑事裁判を進めれば、上級審で破棄される理由となるだけでなく、長い時間が経過した後も再審の理由になり得る」と述べた。