北朝鮮に詳しい消息筋によると、北朝鮮の貨物船は中国南東部の近海で中国船舶と衝突し、沈没したという。
中国当局による救助が行われたが、救助されたのは一部で北朝鮮の船員15~20人が死亡したことが分かった。中国船舶側の被害は軽微だという。
事故当時、同水域は濃い霧で視界確保が難しかったという。北朝鮮の貨物船が船の位置情報を発信する船舶自動識別装置(AIS)を切っていたため、中国船舶が認識できずに事故が起きた可能性が取り沙汰されている。
北朝鮮の船舶は国際社会の監視を逃れるため、AISを作動させずに航海することが多い。事故が発生した海域は北朝鮮の貨物船が石炭の密輸によく使うルートだ。
安保理決議は、北朝鮮産の石炭の輸出を全面的に禁止している。
同消息筋は聯合ニュースの取材に対し、「当時、北朝鮮船舶には石炭が過積載されていたとみられる」とし「貨物も船舶とともに全て沈んだ」と伝えた。
多くの人命が失われたにもかかわらず、北朝鮮だけでなく中国当局も事故について発表しておらず、北朝鮮と中国側双方の制裁破りだったとの見方が強まっている。
同消息筋は「今回の事故が明るみに出れば、北朝鮮にとって悪材料であることはもちろん、制裁違反を黙認した中国側にとっても頭を悩ませることになるため、事故について隠している」と指摘した。
韓国政府系シンクタンク、統一研究院のホン・ジェファン研究委員は「制裁以前も石炭は北の対中主要輸出品目であり、今も中国内の需要が多い」として「中国が取り締まりの強度を調節することもあるが、黄海での密輸を全て取り締まるには現実的な限界もある」と説明した。
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