尹前大統領、「戒厳は法的手段」…内乱罪公判で持論展開=韓国
尹前大統領、「戒厳は法的手段」…内乱罪公判で持論展開=韓国
韓国のユン・ソギョル(尹錫悦)前大統領は21日、「戒厳は価値中立的なものであり、一つの法的手段に過ぎない」とし、非常戒厳宣言の正当性を再度主張した。

 尹氏は同日、ソウル中央地裁刑事合議25部の審理で開かれた内乱首謀罪の2回目の公判で発言権を得て、約6分間直接発言。尹氏は、内乱事件の核心は、大統領のみが行使可能な憲法上の権限である戒厳令の発令が内乱という構造で行われた点にあると指摘。「多くの憲法上の争点を含んでいる」と述べた。その上で、「検察の立証責任と計画は尊重されるべきだが、事件の本質に即した検討が順次進められるべきだ」との考えを示した。

 特に戒厳を「刃物」に例え、「刃物は料理や薪割り、手術にも使えるが、脅迫や傷害といった犯罪にも用いられる。内乱の観点から審理するなら、刃物を使ったからといって、直ちに殺人と断定するような単純な図式化は避けるべきだ」と強調した。

 また、「国会を永久的あるいは相当期間機能停止させてもいいのか」と述べ、「戒厳が民主憲政秩序を崩壊させ、司法を含む全ての憲法機関を同時に無力化・掌握し、独裁的な憲政紊乱と長期独裁のための親衛クーデターであるということが証明される観点から扱われるべきだ。戒厳とは、その一つの手段として行われるものだ」と主張した。

 尹氏は過去の非常戒厳令との比較にも言及。「12・12軍事クーデターや5・18光州事件では、新軍部が戒厳を通じて国政を完全に掌握し、国防相を通じて内閣を排除する措置が取られた」と指摘した上で、「本件では、死傷者や流血事態はなく、当初から実務部隊に武装はさせていない。国家非常事態を宣言する手段は、非常戒厳令の発令以外にはない」と反論した。

 さらに、「これが内乱であり、長期独裁のための憲政秩序破壊であるならば、政務・執権計画、そしてその実現のために軍をどのように活用しようとしたのかという点が、より根本的に審理されなければ、内乱罪の真相は解明できない」と訴えた。
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