昨年10月、戦後拉北者被害家族連合会は北朝鮮に向けてビラを飛ばそうとしたが、地域住民の激しい反発に加え、京畿道が散布を阻止する意向を示したため中止した(資料写真)=(聯合ニュース)
昨年10月、戦後拉北者被害家族連合会は北朝鮮に向けてビラを飛ばそうとしたが、地域住民の激しい反発に加え、京畿道が散布を阻止する意向を示したため中止した(資料写真)=(聯合ニュース)
【坡州聯合ニュース】韓国の拉致被害団体が南北軍事境界線に近い京畿道坡州市から北朝鮮に向けてビラを飛ばすと予告したことを受け、ビラ散布に反対する地域住民や市民団体が阻止に向けた動きに乗り出し、衝突が懸念されていることが22日、聯合ニュースの取材で分かった。

 韓国の拉致被害者家族でつくる「戦後拉北者被害家族連合会」は23日午前11時に同市の臨津閣から北朝鮮に向けて、拉致被害者6人の写真と説明が書かれたビラをくくりつけた風船10個を飛ばす予定だ。ビラ散布の準備のため22日午後に散布場所にテントも設置する。

 同団体の崔成龍(チェ・ソンリョン)代表は「当日は国軍捕虜、離散家族の追悼式と拉致被害者家族の討論会なども開かれる。南風が吹き始めたらすぐにビラを飛ばす」と説明した。

 一方、同市の民間人出入統制線(民統線)付近の住民はビラ散布に反対しており、トラクター約20台を動員して阻止するとの立場を示している。

 同市の統一村の住民は「23日午前9時半から統一村など民統線付近の住民たちがトラクターで臨津閣に向かう」とし、「北の拡声器による宣伝放送で住民たちは今も被害を受けているが、ビラ散布は状況をさらに悪化させる恐れがある」と訴えた。

 軍事境界線付近の住民でつくる団体「平和危機坡州非常行動」も23日午前9時半から臨津閣にある国立6・25戦争拉北者記念館前でビラ散布反対集会を開く予定だ。

 京畿道は昨年10月から南北境界線地域を災難(災害)安全法上の危険区域に指定し、特別司法警察を投入して住民の安全を脅かすビラ散布を防ぐために24時間体制でパトロールを続けている。京畿道特別司法警察は「北に向けてビラを飛ばす動きがあれば災難安全法と刑事訴訟法に基づき押収令状なしに現場で関連物品を押収する」とし、「100人を超える職員が3日間にわたり24時間体制で対応し、臨津閣で風船を飛ばせないよう阻止する」との方針を示した。

 京畿北部警察庁も機動隊など約500人を現場に配置する計画だ。


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