施政方針演説を行う韓悳洙首相(国会写真記者団)=24日、ソウル(聯合ニュース)
施政方針演説を行う韓悳洙首相(国会写真記者団)=24日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国大統領の権限を代行する韓悳洙(ハン・ドクス)首相は24日の国会本会議で施政方針演説を行い、21日に国会に提出した政府の補正予算案の意図などについて説明した。

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の与党だった保守政党「国民の力」の議員らが拍手するなどして肯定的な反応を示す一方で、最大野党「共に民主党」の議員らは退場こそしなかったものの冷ややかな反応を示し、一部議員はヤジを飛ばした。

 約18分間の演説で国民の力の議員らは2回拍手し、共に民主党の議員らは一度もしなかった。

 共に民主党出身の禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長は演説を終えた韓氏に対し、「国会議長として一言申し上げる」とし、「大統領と権限代行の権限が同一だというのは憲法に反する発想」と指摘。国会の対政府質疑の答弁などすべきことと、憲法裁判官の指名などしてはならないことをよく区別してほしいなどと要請した。

 また昨年12月の「非常戒厳」宣言の余波が依然として残っており、罷免された大統領を補佐した首相として、また罷免された大統領の権限代行として責任を十分に感じるであろう時期とし、権限代行として責任を持って業務を処理するよう国民を代表して申し上げると述べた。

 大統領選への出馬が取り沙汰されている韓氏をけん制する発言と受け止められる。

 国民の力側は禹氏に激しく抗議し、共に民主党側がこれを大声で制止するなど、騒然とした雰囲気が続いた。 

 両党の院内代表らは議長席に近づき、互いを指さしながら怒鳴りあった。

 韓氏の演説中、沈黙していた共に民主党の議員らは、禹氏の発言後、初めて拍手を送った。

 韓氏は施政方針演説で「今回の補正予算案が国民にとって強い力になり、韓国経済の回復と飛躍の大切な呼び水になるよう政府が提出した補正予算案を早期に審議・議決して下さることを丁重にお願いする」と訴えた。 

 政府は21日、12兆2000億ウォン(約1兆1700億円)規模の補正予算案を国会に提出した。災害対応に3兆2000億ウォン、通商・人工知能(AI)支援に4兆4000億ウォン、小規模事業者・社会的弱者支援に4兆3000億ウォンを配分した。


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