トランプ大統領は大統領選挙の際、韓国を「マネーマシン(money machine)」に例え、韓国の防衛費分担金を現在の9倍にあたる100億ドルに引き上げるべきだと主張していた。また、今月、ハン・ドクス大統領権限代行首相との電話通話でも防衛費分担金を取り上げ、「ワンストップショッピング」式の交渉を要求したという。
防衛費問題は、単に今より多くの金額を韓国に負担させるという圧力ではなく、在韓米軍と米韓同盟の性格自体を変えようとする米国の戦略変更という点で、新政権が直面する最大の課題でもある。現在、米国は在韓米軍に、北朝鮮の挑発に対応するための韓国の防衛手段としてではなく、台湾問題などが発生した際に中国まで動ける「戦略的柔軟性」を求めている。米国の立場では、既存の同盟の価値よりも自国の利益や中国への牽制がより重要な時代になったのだ。このような中、新政権が戦時作戦統制権の返還や「自強」の努力を具体的に準備しなければ、米国に主導権を渡し、莫大な防衛費を支払うしかなくなる。
アサン(牙山)政策研究院のキム・ドンソン招聘研究委員は、「米国の対外政策の指向点は『自由世界と民主主義の守護』から『米国の国益優先』に変わり、同盟を含むすべての対外関係は『取引的』な形で行われなければならない」とし、「米韓間の相互親和性の確保や強化の中で、自主国防の努力も絶え間なく行わなければならない」と指摘した。
北朝鮮問題も新政権が解決しなければならない課題だ。トランプ大統領はすでに米朝対話の可能性について前向きに言及した。2026~2027年頃には米朝首脳の会談が実現するとの見通しが広がっている。その中で、韓国政府が「パッシング」を受けないように、米国はもちろん、他の周辺国との関係も強化しなければならない。現在、キム・ジョンウン政権は「敵対的な二つの国」を口実に韓国との距離を置こうとすると同時に、ロシアと手を取り合い、急速に「北中露」連帯を構築している。韓国も早く中国やロシアとの関係を強化しなければならないという声が上がっている。
特に中国との関係正常化が急務だ。ユン・ソクヨル政権を通じて中国との関係が疎遠になったのに続き、非常戒厳令と弾劾政局では嫌中感情まで拡大した。感情の溝を解消することが次期政府の課題の一つだ。
今年は韓国でアジア太平洋経済協力体(APEC)首脳会議が開かれる重要な年でもある。トランプ大統領や中国の習近平国家主席など世界の大物首脳が滞りなく訪問できるよう準備を行うと同時に、首脳も多国間舞台でリーダーシップを発揮しなければならない。
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