金副所長はこの日、米国の保守系シンクタンク、ヘリテージ財団主催でワシントンで開かれた朝鮮半島セミナーの2日目の会議で、「北朝鮮は過去40年間ミサイル技術を開発し、現在は自力で中・長距離ミサイルを開発・配置できる能力を備えている」と説明した。
キム・テウ の最新ニュースまとめ
また、米国科学者連盟(FAS)の資料を引用しながら、北朝鮮が全域で運用する25か所のミサイル基地について説明した。例えば、ソウルから127キロメートル離れた支下里基地から発射されたミサイルは3分、サンウォンドン基地(168キロメートル)は4分、玉坪ミサイル基地(191キロメートル)5分で、ソウルを攻撃できるという。金副所長は、このように南北間の距離が近く、技術的な問題で韓国の防衛網では北朝鮮のミサイルを探知・迎撃できないし、とりわけスカッドC型やノドンミサイルのように大気圏外を飛ぶミサイルはその飛行時間が短すぎて対応が厳しいと主張した。
現在、在韓米軍は旧型パトリオットミサイルのPAC-2と新型のPAC-3ミサイルを韓国に配置しているが、これらは在韓米軍基地を守ることが目的だ。また、朝鮮半島の有事の際には新型SM-3ミサイルを搭載した米軍のイージス艦が配置されることになっている。韓国も次世代対空ミサイル導入に向けたSAM-X事業を推進している。それにもかかわらず、こうしたシステムは北朝鮮の高速弾道ミサイルを迎撃するのに効果的ではないという。現在韓国が導入中のPAC-2、SM-2ミサイルで構成された韓国独自の防衛網は、北朝鮮のミサイル攻撃を防ぐ能力がないに等しく、韓国がSAM-X事業を完成したとしても、北朝鮮のミサイル攻撃に対し限られた防衛能力にしかならないと明らかにした。
さらに、韓国にとって北朝鮮のミサイル攻撃能力は核脅威と関わっている。金副所長は、北朝鮮が韓国への核攻撃をする場合、スカッドB(射程距離300キロメートル)、スカッドC(500キロメートル)、スカッドD(700キロメートル)、ノドン1号(1000キロメートル)を利用する可能性が高いとの見解を示した。また、北朝鮮が現在開発中のテポドン1号(2200キロメートル)、テポドン2号(5000~6000キロメートル)は北朝鮮の核兵器攻撃能力をさらに拡大させるほか、IL-28爆撃機をはじめ、ミグー21、23、29など戦闘機に核爆弾を装着することも可能だと伝えた。
一方の韓国は、北朝鮮のミサイル攻撃に備え防衛網を補強するという従来の戦略とともに、ミサイル攻撃兆候を早期に把握、対応できるよう、国防中期計画などを通じ多目的人工衛星、中・高高度無人偵察機、早期警報機導入など北朝鮮に対する監視と情報能力を引き上げる方案を推進している。北朝鮮のミサイル基地への攻撃能力を高めるため、次世代戦闘機導入事業をはじめ、韓国型バンカーバスターなど精密誘導爆弾導入なども並行している。
ワシントンのある軍事専門家は「ミサイル攻撃を迎撃ミサイルで防衛するには限界がある。防衛網を拡大するとともに北朝鮮のミサイル攻撃兆候を早期に把握、対応できる手段を持つことも大事だ」と主張した。
Copyright 2008(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0