2002年にデビューしたRainは「必ず成功する」という母親との約束を守るため、20代の前半をもっぱら仕事に費やした。パク・チニョンのバックダンサーとして芸能界に足を踏み入れたが、その誠実さと強い意志で現在の地位まで上り詰めた。国内の歌謡授賞式での大賞受賞、<MTVアワード>でのアジア・グランドスラム達成、米タイム誌の<世界で最も影響のある100人>選定、ハリウッド映画進出、北京五輪閉幕式公演など、その活躍ぶりに“ワールドスター”という修飾語がついた。
Rain(ピ) の最新ニュースまとめ
Rainはインタビューの度に次の目標を提示してきた。それを成し遂げ、再びインタビューに応じた。Rainは、他人と同じように20代を楽しむことは諦めたが後悔はしていない、ときっぱり。来年初めにはハリウッド主演作『ニンジャ・アサシン』が世界中で封切られるほか、下半期には米国でアルバムもリリースする予定にしており、「来年は人生のもう1つのターニングポイントになる」と話した。
15日に発表した新アルバムのタイトル『Rainism』は、「Rainの音楽、ダンス、スタイルがシンドロームを巻き起こす」という意味で、Rain自らが提案した。「目で楽しむ音楽」「耳で楽しむ音楽」に分けて制作されており、強烈なダンスをメーンにしたエレクトロニック・ポップ『Rainism』と、だれもが歌いやすいバラード曲『ラブストーリー』をダブルでタイトル曲にしている。自作曲『Rainism』はシンセサイザーと単調なリズムで、まさに「くせになりそうな」曲だ。
『Rainism』で格好良く、また楽しく遊んでいるような自分らしさを見せたい、とRain。制作にも直接関わり、『Rainism』をはじめ、『俺の女』『You』『My Way』など5曲を作曲、作詞もほとんど自分で手がけた。「見るもの、聴くものが同時に収録されたマルチシネマのようなアルバムです」と自評する。
ライブと強烈なパフォーマンスを同時にこなすが、歌唱力が低い評価を受けているとの言葉にも誠実に答えた。「シン・スンフンさんなどボーカルが強い先輩らの年輪にはかないませんが、わたしも20~30曲をダンスとともにライブで消化します。澄み切ったパワフルな声を出すため3人の先生に学びました。これまではファルセットが多かったが、今回は地声でメロディに点を打つように透き通る歌い方を用いています」
Rainは、5月に封切りしたハリウッドデビュー作『スピード・レーサー』の興行が期待に及ばなかった上、8月の北京五輪の閉幕公演では「中国の五輪広報に利用された」と一部から批判された。それでもこうした経験が成長の踏み石になると信じている。
この先は、“格好いい歌手”という華々しい修飾語を脱ぎ捨て、ありのままの姿を見せていくというRain。最近ではスクーターに乗ってカフェを訪れることもあり、そのあまりにも気さくな姿に、ファンはRainに似た人だと思うのだとか。自分に完璧さを求めていた強迫観念からも抜け出した。以前はわずかなミスもないステージ、格好いいパフォーマンス、ぜい肉のない体などを追求していたが、現在はそうした思い込みから解き放たれたという。
Rainは、昔の自分がコンクリートのような硬さを持っていたとすれば、今の自分には風に揺れる柳の木のように柔軟さが身についたと話す。ステージではケガをしても、痛くても、つらくても笑顔を見せていたが、これからはそうした気持ちを率直に出していきたいと語った。
Rainは自ら進むべき道を絶対に忘れることはない。俳優や新人歌手の育成、ファッション事業にも乗り出したが、自分の才能が花開く場所はステージであり、カメラの前だとわかっている。「韓国の音楽界をリードしてきた方々の後を次ぎたいというより、今は自分が夢見たことをひとつずつしてみようという気持ちです。ビジネスはスタッフがやることで、わたしがやるわけではありません。わたしはいつも“芸能人”ですから」
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