多くの視聴者が期待する不倫ドラマの条件は何だろうか。不倫をテーマにすれば最低限視聴率での惨敗は逃れることができるというのが現実だ。しかし、不倫ドラマはベッドシーンの視聴率では成功を導くことはできない。

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今年1月から11月2日まで放映されていたドラマ及び現在放映中のドラマ70編中、主要人物が不倫に関わったドラマは13編ほど。主要人物でなくとも劇中に不倫に関する言及があるドラマは20編以上になる。これらのドラマが描く不倫の類型と平均視聴率の関係を見てみよう。


●不倫夫に対する非難に高視聴率
浮気癖のある夫が不倫に走り、それが妻や社会から非難を浴びる姿をコミカルに描いた男性たちの“受難型不倫”が高い視聴率を記録している。

糟糠の妻(貧しいときから連れ添って苦労をともにしてきた妻)を捨て浮気に走る夫ハン・ウォンス(アン・ネサン)とイ・ギジョク(オ・デギュ)の没落を描いたSBSドラマ『糟糠の妻クラブ』(平均視聴率27.9%/TNSメディア集計)と、同僚コ・ウンジ(チャ・イェリョン)と不倫関係になる年下の夫パク・ジェソン(ポン・テギュ)が登場する『ワーキング・ママ』(14.5%)が代表的な例だ。

また、11月3日にスタートしたSBSドラマ『妻の誘惑』は、夫チョン・ギョビン(ピョン・ウミン)が妻の友人と不倫する内容で高い視聴率(11.9%)を記録した。ここでも夫ギョビンは不倫相手に妊娠中絶を要求するなどの内容が描かれている。

ユン・ソクジン忠南大学国文科教授は「韓国の視聴者がドラマに期待するものは、劇中の妻などと一緒に感情移入することで、日常生活で抑圧されていた感情が解放され、快感を感じることができること」と分析した。


●妻の“復讐型不倫”は視聴率低迷
妻の自我探しや夫に対立して不倫に走るという妻たちの“復讐型不倫”は高い視聴率を得ることはできない。

代表的な事例が、夫の不倫から死ぬ覚悟を決めて飛び立った北海道で、10歳下のジュンス(イ・ドンウク)に出会い恋に落ちたユン・ヘジン(オ・ヨンス)が登場する『甘い人生』(8.0%)だ。

このドラマは、不倫というお決まりの形に36歳の主婦の繊細な心理を描写し“ウェルメイドドラマ”という評価を受けた。夫に対立し昔の恋人と不倫するイ・ファン(ムン・ソリ)が主人公の『私の人生の黄金期』(8.6%)も同様だ。

これは、ドラマの主要視聴層が40~60代の中年女性であるためだ。文化評論家イ・ムンウォン氏は「女性自身が加害者になる状況よりも、被害者の視点で見る方が没入しやすいのだろう」と説明した。

自分と同じ境遇の女性が、夫への復讐とはいえ不倫の加担者になるということに理解ができないということ。実際に全国の家族及び個人の性・年齢別視聴率(2008年1月1日~11月1日)を分析した結果、『糟糠の妻クラブ』は60代以上の女性(24.0%)が、『ワーキング・ママ』は50代の女性(11.2%)が最も多かった。

主の視聴層が40、50代の女性だとすると、若い女性と恋に落ちる男性の不倫も視聴率で苦戦する。理由は女性ではなく男性のファンタジーに該当するためだ。

年の差12歳で不倫関係に陥るホームショッピング会社の幹部と新人プロデューサーが登場するKBSドラマ『妻と女』は7.6%と視聴率を稼ぐことができなかった。
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