現在、“I’m so hot”、“ヌナはとてもキレイ”など印象深く直球なタイトルや歌詞がヒットの必須条件だ。10代の若い世代に人気のアイドルの言葉は、その世代の価値観や欲望を反映している。アイドルグループが登場した1998年のH.O.TやS.E.S、Fin.K.L、Sechs Kies、Baby V.O.X、2008年に人気を得ているBIG BANG、Wonder Girls東方神起らアイドルグループの歌詞を比較し、それぞれの“情緒”を見てみよう。

東方神起 の最新ニュースまとめ


1、私はあなたのもの→あなたは私のもの

10年前のアイドル歌手の歌詞には“本望”“永遠”“夢”“約束”などといった単語が多く登場した。1998年に発表された<Fin.K.L(ピンクル)>の『私の彼へ』(私のすべてを望むのであれば、あなたにあげるわ/私はあなたのものよ)や<S.E.S>の『I’m your girl』(あなたからは、どんな言葉より、君は僕のものだという言葉が聞きたい)など、1998年に人気を独占した女性アイドルグループの歌詞には、自分が誰かの意味ある存在になりたいと願う内容が登場する。

一方で最近のアイドルの歌詞には誰かを所有したいという欲望が大きな比重を占めている。東方神起の『呪文』(君は僕に狂う/君は僕の奴隷)は“奴隷”という単語を通し、相手を独占的な所有物として表現する。<Wonder Girls(ワンダーガールズ)>の『Nobody』(I want nobody nobody but you/私は別の人じゃ駄目なの、あなたじゃなきゃ嫌)では“あなた以外は考えられない”という強い欲望を表している。

恋人との精神的な共感よりも肉体的な愛情行為を強調する傾向は、他人の肉体を対象化、私物化する方向に発展する。グループ<2PM>の『10点満点中10点』(彼女の唇はおいしくて唇はおいしくて/10点満点中10点/彼女の足はカッコいい足はカッコいい/10点満点中10点)では、女性の身体部分に点数をつけている。

<音楽趣向Y>のコラムニスト、チェ・ジホ氏は「10年前のアイドルが抽象的な価値を表していたとすれば、最近は具体的で直球な単語で欲望を示し、性的行為まで描写している」と説明した。


2、私のせい→あなたのせい

10年前のアイドルの歌詞は謙遜や自分を犠牲にする内容が強かったが、最近は自己主張を堂々と要求することが特徴となっている。

1998年に発表された<DIVA>の『なぜ呼ぶの』(なぜ呼ぶの、私を掴むことはあなたの失敗になる/私より良い女性はいつでもいるのに)に比べ、今年発表されたテヤンの『罪人』(僕が上手くいかないのは君のせいだ/僕を滅ぼす原因はすべて君にある/別の人に会って不幸になればいい/祈ってあげるから)では、別れの原因を相手に押し付ける上に、他人の不幸を願っている。

恋人が浮気をする状況を対処する方式も違ってきた。1998年に人気を博した<Sechs Kies(ジェクスキス)>の『君を送りながら』(僕以外の人と一緒にいる君を見た/すべてを断念しなければならない/愛していた君のために僕から去ろう)がすべてを諦め相手のために姿を消そうとするならば、<ダビチ>の『愛と戦争』(もう浮気しないで/あなたがつられて会ったことでしょ/どうして私以外の女性に会うことができるの/私にはもっとカッコいい男性たちがいる/たまには寄ってくることもあるのよ)は、相手への恨みと自分も仕返しができるという暗示が表れている。

さらに、テヤンの『僕だけを見つめて』(僕が浮気しても君は絶対するなBaby)は、自分が浮気をしても相手はしてはいけないという利己的な歌詞で話題となった。


3、社会批判→自己満足

90年代後半に登場したアイドルグループは<ソテジ・ワ・アイドゥル>の影響を受け、歌詞の内容が個人的な感情描写から外れて、社会を批判する方向に流れていた。

<H.O.T>のデビュー曲は校内暴力を扱った『戦士の後裔』であり、<Sechs Kies>も韓国教育の現実を批判した『学園別曲』だった。これらは10代以外の幅広い大衆の注目を集めるため、社会的なメッセージを込めようとしている。1998年に発表された<H.O.T>の『光』(これから開かれるあなたの日々を輝かせられる光になりたい/もう顔を上げてください、まぶしい光を見つめましょう)は失敗を踏み、希望と救いをとなえている。

一方、最近のアイドルの歌詞は、大半が自己満足や恋愛になっている。代表的な例は<Wonder Girls>の『So Hot』(セクシーな私の目はコ・ソヨン/美しい私の足はハ・ジウォン/みんな私を好きみたい)。これだけではなく愛や別れを描いた歌詞は、永遠の愛を誓う以前とは異なり、振り返らず冷笑するものが多い。それは<BIG BANG>の『1日1日』でよくあらわれている。“僕がいなければ1日も生きていられない君/振り返らずに去っていけ/僕を探さず生きていけ”がそれだ。
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