クランクインを19日に控えた映画『悲しみより悲しい話』でデビューする、ウォン・テヨン監督。詩が大衆文化のヒット商品だった1990年代初めにスター顔負けの人気を博したベストセラー詩人で、出版した詩集は人気歌手のCDのような必須アイテムとなり、総販売部数は500万部を超え、一時代を築いた。1990年代後半からは作詞家としてキム・ヒョンチョル、チャン・ナラらに歌詞を提供してきた。そして今度は、映画監督という新たな領域に挑む。
 
ウォン監督は18日、聯合ニュースのインタビューで「詩も歌も映画も結局、表現したいことは寂しさ。寂しさを抱える人々の愛を映画で描き出したい」と抱負を語った。来年のホワイトデーに合わせて封切り予定の『悲しみより悲しい話』は、両親に捨てられたラジオプロデューサーのケイ(クォン・サンウ)、悲しい過去を抱える作詞家のクリーム(イ・ボヨン)、クリームを愛する男ジュファン(イ・ボムス)の姿を描く。

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以下はウォン監督との一問一答。

―映画を撮ることになった特別な契機は。
大きなきっかけはない。2冊目の詩集を出し1993年に軍隊に入ったころ、映画を作ってみようと考えたと思う。わたしの詩集の読者はそれが実体験だと考えているが、実は想像で作りだした話が多い。映画もわたしなら詩を書くときのように、よりリアルに描けるだろうと考えていた。除隊後にミン・ビョンチャン監督と意気投合し、3本ほど脚本を書いた。制作には至らなかったが、そのとき初めて映画の仕事をしたことになる。

―2002年以降、詩集を発表していない。
詩とはよぎった考えや感情を書き出す過程だと考えている。しかし気が付くと、机に向かい本を出すために一生懸命詩を書こうとしていた。あれから6年ほどが過ぎ、そろそろ詩を書きたいとむずむずしてきたが、まだ詩集を出す計画はない。

―作品はどこに主眼点を置いて演出する考えか。
わたしの詩集が好きだった人たちは、寂しい人たちだったと思う。互いに寂しいと感じている人たちが、その寂しさを互いによく知りながらいとおしむ、そんな映画だ。「人は1人でいてはいけない」というセリフがある。互いに愛していると言葉にはしないが、観客は皆、彼らが愛し合っているということが分かる、そういう映画にしたい。

―ほかのメロドラマとどのように差別化するか。
見終わった後、気分が爽やかになるような悲しみを持たせたい。恋人同士で映画を見た後「自分に対し、映画のなかの主人公のようにできるか」と互いに聞いて、自分たちの恋愛を振り返ってくれたら。

―クランクインを控えた今の気分は。
ミュージックビデオを演出したことがあるので現場になじみがないわけではないが、初めての映画だけにかなり緊張するのは事実だ。小学校のころ100メートル走で順番を待っていたときのような気持ちだ。

―キャスティングはどのようにして決めたか。
クォン・サンウさんは『火山高』で初めて見て関心を抱き、ユ・ハ監督の『マルチュク青春通り』を見てほれ込んだ。純粋そうなイメージが気に入った。この作品の制作を控えて会ったとき、脚本を把握する能力がすばらしいと感じた。イ・ボヨンさんもユ・ハ監督の『卑劣な街』を見て良い印象を受けた。笑顔がとても美しかった。今回、ボヨンさんが演じるのは世の中を自分の思うままに見て自由奔放に解釈するというキャラクターだが、よく似合っている。
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