ユ・ジテ=(聯合ニュース)
ユ・ジテ=(聯合ニュース)
2001年に制作された映画『春の日は過ぎゆく』のサンウは、澄んだ笑顔が年上の女性たちのハートを捕らえた。劇中でも年上の女性と恋に落ちるキャラクターとあればなおさらだが、すらりと高い背と広い胸を持つサンウは、年齢に関係なく女性たちに愛されたキャラクターだった。
2009年、今度はSBSドラマ『スターの恋人』のチョルスが韓国女性の心を刺激している。やさしい笑顔と重低音の声はサンウと似ているが、一方で貫禄がつき、穏やかさが増した。

ユ・ジテ の最新ニュースまとめ

 8年という月日が流れる間、映画『ノートに眠った願いごと』『ファン・ジニ』『純情漫画』と、多くの恋愛を経験した。そんな俳優ユ・ジテ(33)がブラウン管で見せる恋愛模様が、静かな反響を呼んでいる。

「『スターの恋人』は確かに良い感受性をもつ長所の多い作品ですが、最近の若い世代とは少し距離があるので、視聴率の面では低いようです。だからといって意気消沈はしませんが。視聴率で動くのは役者ではない、演技力は視聴率で評価されるものではないでしょう?」。

 視聴率が7%台にとどまっていることに、ユ・ジテはこう語った。自身の出演映画の最高興行記録は観客350万人だが、視聴率7%なら観客700万人と同様の価値があり、決して無視できない数字だと強調した。競合ドラマに比べ視聴率は低調ながら、この作品の視聴者には熱狂的な忠誠心を持つファンが多い。インターネット上の掲示板でチョルスとマリ(チェ・ジウ)の恋について意見を交わし、切ない思いを共有している。メロドラマというものをユ・ジテ本人はどう思っているか尋ねると「自分も主人公のように感情が豊かになったようで、いいですよ」と笑った。

 ドラマはいよいよ終盤、残すところ4話となっている。が、結末はまだ見えない。脚本が一部分ずつ渡されるため、制作陣すら次の回の内容を知らないのだという。不満を感じないかと問えば「新鮮ですよ」と、笑顔でかわした。

 「”小貪大失”(小さいものを貪り、かえって大きなものを失う)がないようにと、決心したんです。演技の完成度を高めるため俳優としては少しずつ脚本が渡されることがないよう望んでいるけれど、仕方がなければ、多少がっかりしても1シーン1シーンごとに最善を尽くそうということです。1970~1980年代の俳優は、何本もの映画を同時に、脚本もろくに見ることもできず撮影していたのに、すばらしい演技を見せていました。それを思えば不満がってばかりはいられません」。

 ユ・ジテは1999年のSBSドラマを最後に、10年間、映画に専念してきた。映画ファンは彼を知っているが、テレビしか見ない中高年以上にはなじみが薄くもある。ドラマに出ると大衆の反応は確実に違うと感じると話す。

 「以前はおばあさんやおじいさん、子どもたちは僕のことを知りませんでしたから。ボランティア活動に行くと、子どもたちに”おじさんは何している人?”と聞くんですよ。でも最近は、おじさん、おばさん方がまず僕に気付いてくれる。大衆との疎通ということでは、確実にドラマの影響力は大きいですね。役者としては、短期間で多くのシーンを消化するので、演技の訓練になると思います」。

 実際にスターでありながら、スターと恋に落ちる平凡な男を演じる気分はどのようなものだろうか。「一方が平凡だと、やはり意識して被害者意識を持つようになるのでは。そうした面で、このドラマは現実的」と評価する。演じる上での問題点は「これまで一般大衆に知られていなかった俳優なので」、ないという。「一般の人たちのなかで平凡に暮らしていましたから。映画祭に行けばスターだったけれど、特に地方では気付かれないことも多かったんですよ(笑)」。

 では、スターとしての人生には満足しているかと問うと「スターというよりも俳優としての人生が良い。すでに十分感謝して暮らしている」と答えた。福祉に興味があるため、人助けの力があり人を助けることで波及効果を生み出すことができることに感謝しているのだという。

 「一時は僕もきつくなったり暗くなったこともあるんですが、今はかなり柔らかくなりました。歳を取って世界観が広くなり、お金や名誉にとらわれなくなり、理解の幅が広がったんです」。

 ドラマの撮影が2週間残っており、今後はもっと”殺人的な”スケジュールになりそうだというユ・ジテ。脚本家の力と感受性、ディテールが感じられる作品なので、携わる者全員で最後までがんばり抜き、有終の美を飾りたいと抱負を語った。

Copyright 2009(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0