600万ドルをめぐる「ミステリー」は、この資金を盧前大統領が認識した時点とその目的にある。盧前大統領は、600万ドルが朴会長から出たという事実を知ったのは大統領退任後だと一貫して主張する。一方の検察は、盧前大統領が直接電話し金を頼んできたという朴会長の供述を根拠に、通話記録や青瓦台の出入記録などの状況証拠を綿密に調べている。
600万ドルの取引を盧前大統領がいつ知ったかという点は、資金の目的とも直結する。これについて盧前大統領は、100万ドルは権夫人が借金の返済のために頼んだもの、500万ドルは「好意的な投資」だが自分とは関係のない純粋な投資金だと弁明している。金融取引履歴が残る500万ドルの用途はある程度明らかになったが、100万ドルについては盧前大統領は依然として口を閉ざしたままだ。しかし検察は、盧前大統領がこの資金を直接受け取ってはいないが、朴会長が盧政権時代に享受した事業上の利得に対する包括的な見返りとみている。
こうした争点をめぐり盧前大統領と検察は30日、文字通り「死生決断(生死をかえりみない決断)」を行うことになる。
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