あいさつを述べる李大統領=15日、ソウル(聯合ニュース)
あいさつを述べる李大統領=15日、ソウル(聯合ニュース)
【15日ソウル聯合ニュース】李明博(イ・ミョンバク)大統領は15日、ソウル・世宗文化会館で開催された第64周年光復節(日本植民地支配からの解放記念日)慶祝式でのあいさつで、長い間続いている地域感情を解消し生産的な政治文化を構築するための特段の策として、選挙制度と行政区域の改編を提案した。
 李大統領は「現行の選挙制度では地域主義から脱することはできない。政治活動も国政よりは地域を優先しがちになる」とした上で、国会議員が地域に埋もれずに政治活動に集中できるよう、選挙制度を改編する必要があるとの考えを示した。また、「頻繁に実施される選挙により国力が消耗しており、そのたびに政治的に分裂した韓国社会の溝は深まっていく。選挙の回数を減らし、合理的に調整するための本格的な論議を行うべきだ」と述べた。
 行政区域の改編に関連しては、100年前に設けられた古い行政区域が地域主義を深刻化させ、効率的な地域発展を妨げる壁となっており、9月の通常国会で具体的な実践策を講じるべきだと指摘した。政府は自主的に統合を進める地域から画期的な支援を行い、行政区域改編を促進すると明らかにした。


 対北朝鮮政策については「いつ、どのような水準であろうと南北間のすべての問題について対話と協力を始める準備が整っている」とし、どのようにすれば北朝鮮が核を放棄できるのか胸襟を開いて対話できることを心から期待していると述べた。
 李大統領は「目の前に銃口を突き付けていては、会話と協力について論じることはできない。兵器と兵力を互いに減らし一歩後退してこそ、真の平和に向かって進むことができる」と述べながら、在来式兵器と兵力の縮減を北朝鮮に求めた。そうすることで膨大な予算と費用を減らすことができ、南北が共に経済を建て直すのにも大いに役立つだろうと強調した。
 また、北朝鮮が非核化と在来式兵器縮減に向けた対話に臨む場合は、対話の進展具合に応じて段階的に、北朝鮮住民の生活の質を向上させる国際協力プログラムと対北朝鮮5大開発プロジェクトを稼動する「朝鮮半島新平和構想」を推進すると述べた。
 李大統領は最後に「分裂や葛藤(かっとう)などを越え、和合と統合の求心力を生み出すには中道実用の道を歩むべきだ」との考えを示した。「中道」は国民のための国政哲学で、理想と現実のバランスを取るものであり、「実用」は中道を実現する方法論だとした上で、成熟した民主主義の実現に向け大統領直属の「社会統合委員会」を構成すると明らかにした。
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